ドゥカティのエネア・バスティアニーニは2025年以降の契約が未定となっているが、第3戦アメリカズGPで獲得した表彰台が重要なモノだったとチーム幹部が語っている。

 バスティアニーニは2023年にドゥカティのファクトリーチームへと昇格。しかしこのシーズンは怪我と変化したマシン特性への適応に苦しみ、終盤戦のマレーシアGPで勝利するまで、低迷した時期が続いた。

 2024年は契約が満期となるためバスティアニーニとしては序盤戦から結果を残して行きたいところだが、彼はまずまずのシーズン開幕を切った。そしてアメリカズGPではドゥカティ陣営で最上位となる3位表彰台を獲得している。

 ドゥカティのゼネラルマネージャーであるジジ・ダッリーニャは、陣営にとって厳しいレースとなったアメリカズGPで、バスティアニーニがこういった好結果を出したことを称賛し、「彼にとって重要な結果」だと語った。

「体力的に非常に厳しいコースにおける、活気に満ちた素晴らしい長いレースだった」とダッリーニャは言う。

「多くの戦いとたくさんのオーバーテイクがあり、光と影が交差する戦いの主役となっていた」

「エネアにとって、これは重要な表彰台だ。彼がレースにおけるコース上の重要なライダーのひとりであり、安定感を取り戻しつつあることを裏付けるものだ」

「ドゥカティ勢最上位でチェッカーを受けており、不安定なスタートから一転して追い上げてのフィニッシュを見せ、ランキング2番手に浮上してきた」

「彼に必要なのは素晴らしい継続性だが、今回の結果は正しい方向への必要不可欠なステップだ」

 一方でアメリカズGPでドゥカティはフランチェスコ・バニャイヤ、そしてホルヘ・マルティン(プラマック)のふたりが、マシンのチャタリング(異常振動)問題に悩まされていた。

 今シーズンは多くのライダーがこの問題に悩まされているが、スペインGP前後に行なう予定のテストを、ダッリーニャとしても重要視しているという。

「チャンピオンシップは長く厳しいものだ。そして、誰もが浮き沈みを経験するだろう」

「我々はライダーに最高のパフォーマンスを発揮するためのチャンスを与えなくてはならない」

「だからこそ次のバルセロナでのテストは、非常に重要なんだ。そこで我々はバイクのセットアップをいくつか変更してテストし、スペインGP翌日のテストではファクトリーライダーと再度確認する予定だ」

 またダッリーニャはアメリカズGPで最終的に転倒に終わったものの、一時は先頭に浮上したマルク・マルケス(グレシーニ)の走りを称賛している。

「クラッシュこそ喫したものの、マルクはレースで並外れた存在であることを示してリードした。このことは、彼のもつ経験や考え、決意と熱意を雄弁に物語っている」