F1は、ポイント獲得対象を12位までに拡大する新システムを導入するか否かの判断を先送りにしたことが、motorsport.com/Autosportの取材で分かった。

 新ポイントシステムは、上位5チームがトップ10を占め、下位チームのポイント獲得が難しいという現在の状況を踏まえ、導入が検討されてきたものだ。

 現状、インシデントや信頼性の問題がなければ、レッドブル、フェラーリ、マクラーレン、メルセデス、アストンマーティンの上位5チームがポイントを独占することになるだろう。

 つまりそれ以外のチームは直接のライバルを倒しても報われず、得られるかも分からないチャンスを巡って戦うことになる。実際、今季5レースを終えて、ザウバーとウイリアムズ、アルピーヌはまだポイントを獲得できていない。

 この議題はFIA、F1、全10チームが出席する木曜日のF1委員会で検討されたが、この変更が承認されるには、現行チームのうち5チーム以上からの支持が必要だった。

 上位のポイント配分は変わらないということもあって、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表やフェラーリのフレデリック・バスール代表もこの案を支持しており、導入の障害はないように思われた。

 しかしF1委員会の会合では、この変更がもたらす影響を分析するためにより多くの時間が必要であることが合意されたことが明らかになった。そして最終決定を下し、FIAの2025年の競技規則に新システムを採り入れるまでにはまだ十分な時間が残っているため、決断を急がないことで合意したのだ。

 その代わり、その影響がより徹底的に調査され、今年中に開催される今後のF1委員会の議題として取り上げられることになるようだ。

 アルピーヌのドライバーであるエステバン・オコンは、この変更は「大きな傷に絆創膏を貼るようなもの」だと語った。

「現状を救う手段にはなると思う。今回(中国GPで新システムなら)僕らはポイントを獲得できていた訳だし、間違いなく機能してくれるだろうね。でも僕は上位でレースをできて、どのチームも接近している方が良い」

「僕らがやろうとしていること、つまり全マシンの差を縮めようとしていることに関してはわずかなメリットしかないと言っても良いと思う」

 FIAは声明で、ポイントシステムの微調整が次回の会議で再び検討されることを確認した。

 FIAは「委員会のメンバーは、競技規則第6.4条と第6.5条に記載されているチャンピオンシップポイントの配分の変更案について話し合った」と述べた。

「7月のF1委員会に提案することを視野に入れ、変更案のさらなる分析が必要であることが合意された」