MotoGP第4戦スペインGPの決勝レースで、ホルヘ・マルティン(プラマック)は転倒ノーポイントに終わった。彼は好調に走っている中での転倒が、奇妙なものだったと振り返った。

 スペインGP開催2日目のスプリントレースで勝利し、いい流れで決勝レースに挑んだマルティン。序盤に先頭に浮上すると、そのままレースを中盤までリードしていった。

 しかし11周目、マルティンはターン6へのアプローチでフロントのグリップを失い転倒。優勝争いを展開しつつも、ここでリタイアとなってしまった。

 結果的に決勝レースでは、マルティンの転倒でトップに浮上したフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)が、マルク・マルケス(グレシーニ)とのバトルを制して勝利。タイトル争いではまだマルティンが首位を維持したが、バニャイヤが17ポイント差まで迫ってくることになった。

 マルティンにとっては非常に痛いノーポイントになったわけだが、彼にとってこの転倒は予想だにしないモノだったようだ。メディアに対し、マルティンは当時の状況を次のように説明した。

「妙なクラッシュだったよ。間違いなくね」とマルティンは言う。

「ちょっと調べてみたいと思っている。僕は(それまでのラップと)全く同じスピードで、同じポイントでブレーキをかけていたんだ」

「だからちょっと妙だと言っているんだ。細かいところをもう少し調べて見る必要があるね」

「1分37秒9、38秒といったふうにペースをコンスタントに保とうとしていた。あの時点でレースをリードし続けるためには十分なペースだったし、終盤に向けてタイヤを少し温存しようとしていたんだ。僕としても、自信があったし集中もしていた」

「あのペースでクラッシュするのは想像していなかったというのは間違いない。これを繰り返さないためにも、なぜ起きたのか理解する必要がある」

「多少リスクを冒したコーナーはあったかもしれないけど、(転倒した)ターン6はそうではなかった。コンスタントに行こうとしていたし、ブレーキも同じ場所でかけていたんだ。だからこそ、この先に向けてどこが改善できるのか、理解する必要があるんだ」

 マルティンは少なくとも今回の転倒原因は、タイヤの内圧ではないと考えている。

「昨日(スプリントレース)よりは少し高かった。それで2周目にはすぐに前に出たんだけど、圧力の問題ではなかったと思っている。まだクラッシュのことは理解できていないけどね」

 なおライバルのバニャイヤが勝利を収めることになったレース展開について、マルティンはもし転倒がなかったとしても、バニャイヤのペースにはついていけなかっただろうと予想している。

「ピットボードで0.2秒差と見たときは、彼が少し苦戦してるんだと思った。僕は同じペースを保とうとしていて、プッシュしていたわけじゃなかったんだ」」

「だけど、後から見ると今日のペッコは抜きん出て強かった。彼のペースは素晴らしいものだったよ。僕自身は、1分37秒6、37秒7とタイムを出すことはできても、1分37秒4は出せないと感じている。それは間違いない」