5月3日、スーパーGT第2戦の公式予選が富士スピードウェイで行なわれた。ポールポジションを獲得したのは、GT500クラスが17号車Astemo CIVIC TYPE R-GT(塚越広大/太田格之進)、GT300クラスが88号車JLOC Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)だった。

 ゴールデンウィーク恒例の富士ラウンドは今季、初の3時間レースフォーマットで開催される。富士での長時間レースということで、決勝でのグリッド順は開幕戦の岡山ほど重要にはならないかもしれないが、予選で使うタイヤは決勝第1スティントでも使用されるため、予選で各車がどのようなタイヤを持ち込み、それがどう機能するかが注目ポイントと言えた。

■GT500クラス

 GT500のQ1はGT300の後、14時58分からスタートした。ほとんどの車両がトップと1秒差以内に収まる接戦となったが、その中で一歩抜け出したのは17号車Astemo CIVIC TYPE R-GTだった。

 17号車Astemoはルーキーの太田格之進がドライブし、1分26秒709をマーク。これがQ1最速タイムとなった。2番手、3番手にはARTA勢が食い込み、ホンダ・シビック勢の好調さをうかがわせた。トヨタ・スープラ勢の最速は14号車ENEOS X PRIME GR Supraの4番手で、日産Z勢の最速は3号車Niterra MOTUL Zの5番手。36号車au TOM'S GR Supraをはじめ、開幕戦で好成績を挙げてサクセスウエイトを多く積む車両は軒並み下位に沈んだ。

 なおQ1の途中では、24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zが本格的なアタックに入る前にガレージインする一幕があった。開幕戦までの規則では、Q1で107%タイムを記録できなかった車両はピットスタートが確定していたが、今回から規則が修正され、Q1で1周でもタイムを計測していれば、Q2で107%以内のタイムを出せばピットスタートは回避できるようになっている。

 Q2では目まぐるしくトップタイムが入れ替わる展開となった。その中でQ1トップの17号車Astemoは、塚越広大がQ2で3番手のタイムをマークし、合算でポール獲得。開幕戦では混乱に巻き込まれる形で1周もできず悔しい思いをした17号車が、雪辱を果たすべく最前列からレースを迎える。なお、今季から導入されたシビック・タイプR-GTにとっても記念すべき初ポールとなった。

 2番手以下にはZとシビックが続き、開幕戦で躍動したスープラ勢は7番手の14号車ENEOS X PRIME GR Supraが最上位という結果になった。なお、一時2番手となっていた16号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTはQ2ベストタイム抹消により14番手。Q1でガレージインがあった24号車リアライズはQ2で107%以内のタイムを出し、15番手となった。

■GT300クラス

 GT300のQ1はGT500に先んじて14時30分にスタートした。Q1は2組に分けられるが、その組分けは開幕戦の奇数順位チームがA組、偶数順位チームがB組という形。走行順は抽選によって決定され、今回はB組→A組の順での走行となった。

 B組を驚異的な速さでトップ通過したのは、88号車JLOC Lamborghini GT3の元嶋佑弥。1分36秒084をマークし、2番手以下にコンマ6秒以上の差をつけ、Q1&Q2合算タイムでのポールポジションに大きく前進した。ただ元嶋はタイムを上げるべく複数回アタックしており、そこがQ2にどう影響するかも気になるところであった。

 A組では、車両製作が間に合わず開幕戦を欠場した11号車GAINER TANAX Zが登場。今回のレースウィークでも練習走行を欠席して懸命な作業が続けられた結果、晴れて車検を合格しての出走となった。

 そのゲイナーZは岡山でシェイクダウンをしたのみで、予選が富士初走行となったが、富田竜一郎はいきなり好タイムを記録。最終的にA組の4番手に食い込んで見せた。

 A組トップタイムは、4号車グッドスマイル 初音ミク AMGの片岡龍也で1分36秒156。2番手には開幕戦は苦戦した56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R、3番手には開幕戦ウイナーの2号車muta Racing GR86 GTが入った。

 このQ1セッションでトップ8に入った車両は、ポールポジションを決するQ2“アッパー16”に進出。9番手以下の車両は下位グリッドを決めるQ2“ロワー17”に回った。

 Q2はまず下位組のロワー17からスタート。Q1、Q2合算で最速タイムとなったのは、31号車apr LC500h GTだった。31号車をはじめとするロワー17の上位4台は、アッパー16の下位4台とミックスされ合算タイム順に並び替えられるため、31号車は最高で13番グリッドになる可能性がある……そんな状況だった。

 Q1でトラックリミット違反がありロワー17行きになっていた777号車D'station Vantage GT3は、今回がデビュー戦となるチャーリー・ファグがロワー17最速の1分35秒835をマーク。合算タイムでは下位グリッドとなったが、ポテンシャルの高さを見せつけた。

 そしてQ2アッパー16でも速さを見せたのが、88号車JLOCだった。88号車は小暮卓史がQ2を担当し、1分36秒066をマーク。文句なしでのポールポジションを獲得した。2番グリッドは4号車グッドスマイル、3番グリッドは56号車リアライズと、ヨコハマタイヤを履くGT3勢が上位を占めた。開幕戦を制してサクセスウエイトを44kg積む2号車mutaはそれでも5番手に滑り込んだ。