RBの角田裕毅は、前戦中国GPで苦戦を強いられたが、その原因について「完全には理解できていない」と明かした。

 角田は今季開幕4戦中2戦で入賞と、激しい中団争いの中で力強い走りを見せてきた。しかし第5戦中国GPでは謎の失速。週末を通してチームメイトのダニエル・リカルドに後れを取った。ここには角田にとって初の中国GPであったこと、そしてその中国GPがスプリントフォーマットで開催されたことも関係していた可能性もある。

 決勝レースで角田はハースのケビン・マグヌッセンに当てられる形でリタイア。リカルドもアストンマーティンのランス・ストロールに追突されたことが原因でレースを諦め、RBはノーポイントで中国を後にした。

 中国GPから2週間。F1はアメリカに舞台を移して第6戦マイアミGPを迎えるが、RBは角田の苦戦原因を完全には突き止められていないようだ。

 ただ角田曰く、チームはいくつかの問題を発見。再びスプリントフォーマットでの開催となるマイアミGPではより良いパフォーマンスを発揮できるはずだと語った。

「ありがたいことに、チームはかなり多くのことをやってくれました」と角田は言う。

「僕らは中国とマイアミの間に(原因を)理解するために多くの時間を割きましたが、正直なところなぜ(中国で)それまでのレースほど良いパフォーマンスが出せなかったのか、完全には理解できませんでした」

「それでもいくつか(問題が)見つかりましたし、そのコンマ数秒がかなり大きな影響を及ぼすと考えています。特に今のタイトな中団争いの中では、このコンマ数秒で2〜3ポジション変わってきます」

「中国での違いについてはまだ十分な説明が得られていないと思います。でも、そのレースは忘れ、リセットしてマイアミに挑みたいと思います」

「どうなるか見てみようと思います。中国よりもいい仕事ができるとは確信しています」

 また、コンマ数秒というのはマシンに問題があったのか? それともセットアップに問題があったのか? と尋ねられた角田は次のように答えた。

「マシンの問題と言えますが、それだけの問題ではありません。チームとして、もっと早く理解することができたはずですし、それは僕自身にも言えることです」

「誤解してほしくありませんが、これはマシンやチームだけの問題ではなく、僕自身としても、もっと上手くやれたはずだったことが沢山あったんです」

「特にスプリント予選では、タイトで多忙なスケジュールの中で完璧を期すことが非常に重要になります。そういったことは今後改善されていくと思います」

 中国GPでは、角田のチームメイトであるダニエル・リカルドが新しいシャシーを投入。不運もありポイント獲得には繋がらなかったものの、それまでの苦戦が嘘のような好走を見せた。

 一変して厳しい戦いを強いられた角田だが、シャシーが苦戦の原因ではないと考えている。

「中国とは全く別の話だと思います。ダニエルはシャシーを変えましたが、(苦戦は)シャシーの問題ではありません」と角田は言う。

「正直、以前のレースと比べて僕は大きく出遅れてしまいました。8位とか9位を争っていたのに、急に19位まで落ちて、18位まではコンマ2秒差という状況で……何らかの理由でペースが上がらなかったんです」

「(レースがない間に)その理由を見つけようとしました。いくつか見つけましたし、気持ちは全てリセットしています」

 なお中国GPでは、コースマーシャルがリタイアした角田のマシンを回収する際に、クレーンから落とすというアクシデントも発生していた。これについて角田は「ハッピーではありません」と語る一方で、シャシーにダメージが及ぶという最悪の状況は免れたと明かす。

「DNFの後、主催側が僕のマシンを回収する際にクレーンから落としたことについてはあまりハッピーではありません」と角田は続ける。

「ただチームは全て問題ないと確認しましたし、僕も自分のシャシーには満足しています」