RBの角田裕毅は、F1マイアミGP決勝レース後に「このまま行けばトップ5チームに追いつけるかも」と語った。これについてチーム代表であるローレン・メキーズは、昨年のように”大きな一歩”があるわけではないものの、アップデートパーツが用意できれば、その都度投入していく計画だと明かした。

 F1マイアミGPでは、スプリントでダニエル・リカルドが4位、決勝では角田が7位入るなど、合計12ポイントを稼いだRB。これで今季の獲得ポイントは19となり、トップ5チームに次ぐポジションを確固たるモノにしつつある。そしてレースによってはトップ5チームの一角を崩すこともあり、ドライバーズランキングで角田は現在、アストンマーティンのランス・ストロールよりもひとつ上の10番手だ。

 今回のレースは、角田にとっては特に手応えを掴めた内容だったようで、今後に向けた期待感を次のように語った。

「ここまでを見ると、僕らの進歩は非常に速いと思います。昨日(スプリント)はダニエルが4位だったわけですから。僕らのマシンが今、どれだけのペースを手にしているかということを示していると思います」

「今季僕らは、どのレースでも常に10番手付近を走ってきました。最近では8番手だったり、9番手だったり、7番手だったり……4番手だったこともあるわけですからね」

「まだメルセデスと同等とは言えませんが、そのうちのひとり(ジョージ・ラッセル)と比べれば良いペースで走ることもできました。これを続けて行けば、上位5チームに追いつくことができるかもしれません。まだ彼らは速すぎますけど……それが僕らが今目指しているところです」

 角田のそういう手応えを、チームとしてはどう感じているのか? motorsport.comの電話インタビューに応じたRBのメキーズ代表は、次のように語った。

「現時点では、トップ5チームと下位5チームが分かれている。私は通常、ディビジョン1とディビジョン2と呼んでいるけどね」

 メキーズ代表はそう語った。

「しかしマイアミではそうではなかった。それは初めてのことだった。ではそれは1回限りのことなのか? 実を言うと、それは我々の方ではわからないんだ」

「我々はここまでに、2回アップデートを投入した。1回目は日本で、2回目が今回のマイアミだった。アップデートの投入をイモラからマイアミに早めるため、我々は懸命に働いたんだ。おそらくそれが、我々に優位性を与えてくれたが、次のイモラでは他のチームもアップデートを投入して、遅れを取り戻してくることになるだろう」

 昨シーズン終盤、チーム名がまだアルファタウリだった頃、サスペンションなどに大規模なアップデートを投入し、躍進を遂げた。今季はそういった大規模なアップデートは予定されていないが、新しいモノが準備できたら、その都度どんどん投入していくとメキーズ代表は言う。

「今回アップデートを投入したのは正しいことだった。短期的にはイモラでのレース(エミリア・ロマーニャGP)まで待って、他のチームのアップデート効果を確認してみたい。そして、上位と下位がこれまでと同じように半々に分かれているのかを、確認してみたいと思う」

「パフォーマンスを引き上げるモノを持っていながら、それをサーキットに持ち込まないという判断はできない。どのチームもそんなことはしないと思う。我々には開発計画があり、その計画は使えるようになり次第実戦投入されるように構築されている」

「昨年のシンガポールに持ち込んだアップデートのような、マシンの半分が作り直されるというようなことは期待しないでほしい。現時点でそういう計画はない」

「しかし我々は、新しいアイテムを手にするために、懸命に働いている。今年は、0.05秒だって大きな違いを生む。そういうモノを手にしたらすぐに、マシンに投入する予定だ」