ルーキー右腕が、防御率を本来あるべき数字へと戻し続けている。ドジャースの山本由伸は現地5月7日(日本時間8日)、本拠地ドジャースタジアムでのマーリンズ戦に先発登板すると、今季自己最長となる8回を投げ、5安打2失点、5奪三振無四球の快投で今季4勝目(1敗)を挙げ、防御率を2.79に改善させた。

試合はドジャースが8-2で快勝し、6連勝とするも「2番・指名打者」でスタメン出場した大谷翔平は、2打数無安打2四球と久々に快音を響かすことのない1日となった。

地元紙『ロサンゼルス・タイムズ』は試合後、電子版に掲載したレポート記事の冒頭で、「ヨシノブ・ヤマモトはドジャースに、あのフィーリングを与え始めている」と前置きした。

「彼が投げるときは毎回、チームがクオリティスタートを得られるというフィーリング。それは、彼が登板するときは、いつでもスコアボードにゼロが並ぶというもの。そして、そのフィーリングで最も重要なのは、彼が投球する日は、ドジャースが勝利の立場にいられるということだ」と続けた。

そして、デーブ・ロバーツ監督による、試合前の「これは『ヤマモトの日』だ、というフィーリングが出始めているね。これは勝利の日だ」とのコメントを引用。その上で、「ヤマモトが8回を圧倒した火曜は、実際にまたもそういう1日となった」と伝えた。

右腕は今回の快投により、3試合連続でクオリティ・スタートを達成し、その間、計20イニングで2失点としているわけだが、山本について記事では「先発ローテーションでは、タイラー・グラスナウと並ぶエース」と称し、この所の好パフォーマンスの要因について、「速球のコマンドの一貫性が増した」点を指摘。

さらに、その裏付けとして、同僚のギャビン・ラックスによる「すごいんだ。ウィル(スミス)がプレートの後ろで構えると、それがどこであれ、ヤマは正にその構えたところへ投げるんだ。これまでのところ、彼はとても印象的だね」とのコメントを引用している。

実際、このマーリンズ戦で、変化球を含め、山本は試合開始から最初の19球をゾーンに入れ、試合全体でも97球を投げ、73球をストライクとしている。