神奈川県立精神医療センター(横浜市港南区)は9日、60代の看護師が自傷行為を繰り返す20代の入院患者に対し「なぜ自分の身体を傷つけるのか。そんなにしたければ山奥ですればいい」などと暴言を吐いていたと発表した。暴言が心理的虐待に当たる可能性があるとして、精神保健福祉法に基づき7日に横浜市の虐待通報窓口に連絡した。

 同センターによると、暴言があったのは今月3日で、看護師が入院患者を病室で看護している時だった。自傷行為について「戦争や災害で体が不自由になったり命を落としたりしてしまう人がたくさんいるのに」「特攻隊に行ってきな」「ウクライナに行ってきな」とも発したという。精神的な苦痛を感じた患者が当日、看護師の上司に相談して発覚した。

 看護師は暴言を認め、「多忙な中で(患者から)ナースコールを受けて気持ちに余裕がなかった。患者の日頃の自傷行為にストレスを感じていた。大変申し訳なかった」などと話しているという。同センターは、過去にこの看護師による同様の事案は確認されていないとしている。