藤沢の海でハマグリ漁に励む湘南漁業協同組合藤沢支所(神奈川県藤沢市辻堂東海岸)の漁業者が、レジャー客らの密漁に悩まされている。稚貝放流などで資源確保に努め、浅場でも採取しやすくなったことも一因とみられる。湘南海上保安署は「漁業権を侵害する犯罪」と警戒を強め、先月に地元のサーファーを初めて摘発した。

 同保安署によると、摘発されたのは市内に住む男性。5月25日、市内の海岸をパトロール中の同保安署職員が、長さ9センチと6センチのハマグリ計2個をバッグに所持しているのを見つけた。職務質問したところ、「ばれなければいいと思っていた」と、サーフィンの合間に採ったことを認めたという。

 同支所が扱うハマグリは「湘南はまぐり」の名称で知られ、濃厚なだしが出るのが特長。2017年には「かながわブランド」に認定された。藤沢の海は粒が細かくて良質な砂に恵まれ、大きなものは長さ10センチ以上まで成長する。