「海の女王」と称される豪華客船「クイーン・エリザベス」(9万900トン)が18日朝、神戸港の神戸ポートターミナルに入港した。神戸寄港は開港150年目の2017年以来7年ぶり。神戸市の消防艇が歓迎放水を行い、多くの市民らが出迎えた。

 世界で最も有名な豪華客船と言われ、現在の船は3代目。10年に就航し、全長294メートル、全幅32メートルで、12階建ての船内にはボールルーム(舞踏室)や本格的な劇場、屋外プールを備える。英国の船会社が運航し、20、21年にも神戸へ寄港予定だったが、新型コロナウイルス禍で運航自体が中止された。

 友人と着物姿で歓迎した神戸市中央区の女性(73)は10年前に乗船して愛着があるといい、到着の瞬間、持参したお酒と杯で乾杯した。「丸みを帯びたイルカみたいな船首や、黒い船体がすてき。出迎えができて感無量」と語り、乗客に手を振っていた。

 今回の寄港は「新緑の西日本歴史名所巡り」と題した11日間のクルーズの一環。16日夜に東京を出港し、18日午前8時ごろ神戸港に着いた。同日午後6時に出港し、次の寄港地、高知に向かう。(大島光貴、広岡磨璃)