能登半島地震で大規模火災に見舞われた輪島朝市(石川県輪島市)の商店主らを招いたシンポジウムが12日、神戸市東灘区岡本1の岡本好文園ホールで開かれた。輪島市朝市組合の冨水長毅組合長(55)らが、朝市の将来像や復興に向けた思いを話し合った。

 シンポは岡本商店街振興組合が主催し、輪島市から冨水さんら4人が参加。11日には同区のイベントで、県外では地震後初となる「出張輪島朝市」が行われた。

 地震による火災で、輪島市の「朝市通り」一帯は約240棟が焼損。現在もがれきが残り、冨水さんは「復興ではなく、復旧という言葉が飛び交っている状態」と説明した。

 輪島市朝市組合の組合員は、昨年末時点で約190人。平均年齢は70歳を超えるという。冨水さんは「輪島から動けない組合員もいる。がれきの中でも商売ができるスペースを行政と話し合っている。やりがいをつくっていけるように頑張りたい」と力を込めた。

 母と干物などを販売する女性(22)は「自分にとって朝市は、輪島の伝統と食文化が集まる場所。今までを生かしつつ復興させたい」と語った。

(長沢伸一)