赤潮の被害から1年足らずでの復活です。

2023年夏、赤潮で甚大な被害を受けた橘湾の養殖シマアジの販売が5月24日から県内のスーパーマーケットで始まりました。

店頭に並んでいるのは長崎市のブランド魚「戸石ゆうこうシマアジ」の刺身です。

アジの王様と言われる「シマアジ」に長崎市の伝統柑橘「ゆうこう」をエサに混ぜて育てていて、臭みがないのが特徴です。

この日は長崎市内のスーパーで試食販売会が行われ、店頭に用意された試食用の刺身を子供たちも次々と頬張ります。

「戸石ゆうこうシマアジ」をはじめ、橘湾で養殖されていたトラフグやマダイなどは、2023年夏に発生した大規模な赤潮で壊滅的な被害を受けました。

被害額は橘湾全体で過去最大の11億円にのぼり、50年以上養殖業を営む「昌陽水産」も一時は廃業寸前にまで追い込まれたといいます。

しかし、行政の支援やクラウドファンディングで資金を募るなどして、被害からわずか2か月後の2023年10月から再び養殖をスタートし、販売再開にこぎつけました。

販売
「けさ水揚げしてきたばっかりです」

「おいしいです」

「コリコリで臭みがないでしょう」

昌陽水産 長野陽司 代表取締役
「自分たちが一生懸命育たシマアジ、ゆうこうが入っていて臭みがないのでおいしく食べてもらいたい」「地元長崎から認知度を上げて全国・世界へと羽ばたいていきたい」

「戸石ゆうこうシマアジ」はエレナ全店で5月24日から週末限定で販売されています。

≪以下、関連情報≫
シマアジは稚魚から育てると、出荷までに約1年半かかるが、ある程度の大きさに育った中間魚(1キロほど)を仕入れたことで、今回 出荷の目途が立った。

橘湾の養殖業者の昌陽水産では今年冬の本格的な復活を目指している。

赤潮については長崎大学などがメカニズムの解明を進めているが、自然が相手、しかも赤潮は広範囲に渡るため対処が難しいのが現状。

対策としては海水温が上がる前に早めに水揚げをすることや、行政や漁業関係者と協力して海のモニタリングをして小規模でも赤潮が発生した場合はSNSで情報を拡散するなどして魚を守っていきたいとしている。