先日、パリオリンピック出場を決めた、レスリングの清岡幸大郎(きよおか・こうたろう)選手。現在は、パリでの「金メダル」に向けてトレーニングに励んでいます。日に日に“夢舞台”が近づく中、清岡選手がこれまでの道のりや“パリ”への思いについて聞きました。

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4月19日、キルギスで行われた、レスリングのパリオリンピック・アジア予選。
高知市出身の清岡幸大郎選手が、準決勝で勝利し、パリオリンピックへの出場権を獲得しました!高知県勢では、同じレスリング女子の櫻井(さくらい)つぐみ選手に続いて掴んだ、“夢舞台”への切符。「パリ」に向けて練習に励む清岡選手が、このほど取材に応じてくれました。

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Q.勝利を掴み取った瞬間は?

■清岡幸大郎選手
「瞬間は…そうですね、『ほっとした』というか、ひとまず『(出場の)権利を獲得できた』っていうことで、やってきたことを出して勝つことができたので、『よかったな』っていう気持ちと、あとはもう、本当にすぐ『こっからパリだ』『次に向けてやっていかなきゃな』っていう気持ちがすぐ出てきて。『嬉しさ半分』、『“これからだぞ”っていう、もう一度気を引き締めるような気持ち半分』っていう感じです」

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清岡選手がレスリングを始めたのは4歳の時。櫻井つぐみ選手の父・優史(ゆうじ)さんが立ち上げた「高知レスリングクラブ」で、競技を始めました。

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■清岡幸大郎選手
「自分の母と、櫻井先生の奥さんの職場が一緒で、櫻井先生が『高知県でジュニアのレスリングチームを作る』っていうことで、参加してみて…。最初はレスリングじゃなくて『ボール遊び』とか『マット運動』とかだったんですけど、そこから徐々にレスリングをやり始めて、気づいたら『本格的にやっていた』という感じです」

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そんな清岡選手は徐々に頭角を現し、全国大会でも優勝するなど活躍を見せていましたが、日本体育大学4年生だった去年、“大きな試練”が待ち受けていました。パリオリンピックへとつながる全日本選抜選手権。オリンピック出場を目指していた清岡選手は、自身の初戦である準々決勝で敗れてしまったのです。

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■清岡幸大郎選手
「去年6月の明治杯(全日本選抜選手権)で負けた時点で、(五輪は)絶望的…ぐらいの選手だったので、チャンスが戻ってくる確率はすごく低かったと思うんですけど…。でも『チャンスが回ってきたら絶対自分のものにする』っていう気持ちを持って、ずっと生活して練習をしてきたので…」

そんな清岡選手に、もう1度“チャンス”が巡ってきました。東京オリンピック金メダリストでパリ五輪でも代表候補だった乙黒拓斗(おとぐろ・たくと)選手が、その後のオリンピック予選を棄権したため、代表選考が再び行われることになったのです。

その“再び”の代表選考=「全日本選手権」準決勝で乙黒選手と対戦した清岡選手は、「日本レスリング界のエース・乙黒有利」という下馬評を覆し、乙黒選手との大接戦を制すと…

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そのまま大会で優勝を果たし、アジア予選への出場権を獲得しました!

■清岡幸大郎選手
「(乙黒選手は)東京五輪の金メダリストっていうことで、周りからも『金メダリストに勝ったんだから絶対いけるよ』っていうふうに言ってもらえるんですけど、(去年6月の全日本選抜で負けて)『諦めて練習しなくなる』んじゃなくて、『しっかり続けてきた』ことが、12月の全日本選手権で出たのかなって思います」

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そして、4月のアジア予選でパリオリンピックへの出場権を獲得した清岡選手。紆余曲折あったここまでの道のりですが、「負けたことも財産」だと話します。

■清岡幸大郎選手
「『負けて成長する部分もすごく大きい選手』だと自分で思っているので、そういうのも『必要だったかな』って思います。今、思えば。けっこう挫折も味わったりとか、いろいろな経験をしたりして、ここまで来られたかなって思います」

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清岡選手は現在、兵庫県の「三恵海運」に所属。神奈川県でルームシェアをしながら、母校・日本体育大学を練習拠点としています。虎視眈々と狙うのはパリでの「金メダル」です。

■清岡幸大郎選手
「自分の夢が、ずっと『オリンピックでメダルを獲る』ことが目標だったので、必ずそれを達成できるように練習していく。自分の試合を見てくれた人たちに、元気や力を届けられるようなレスリングをして、またそれを見たことでレスリングに興味を持ってくれたり、『すごい・かっこいい競技だな』って思ってもらえたりするような戦いを、パリではしていきたいと思っています」

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