今年で発売から140周年を迎える三ツ矢サイダーが、さらなる成長へ正念場を迎えている。炭酸飲料市場では健康志向が高まり、お酒の割り物としても使える無糖タイプの需要が拡大。スーパーなどが企画するプライベートブランド商品も割安感から販売を伸ばしている。三ツ矢サイダーを手がけるアサヒ飲料は高品質や付加価値をアピールし、ブランド力の向上を目指す。

 三ツ矢サイダーは1884年に兵庫県川西市で湧き出た炭酸水を「平野水」と名付けて販売したのが始まり。

 アサヒ飲料は11日、都内で戦略説明会を開き「時代に合わせて魅力的なブランドであり続ける」(担当者)と強調。近年は果汁を加えた商品や、健康を意識した品ぞろえを拡充してきた。今年4月にはメロンソーダ味を発売する。

 競合相手として存在感を増しているのが無糖タイプだ。調査会社の富士経済によると、14年に5642億円だった炭酸飲料全体の市場規模は24年に6356億円へと拡大する見通し。このうち無糖タイプは312億円から1292億円へと急成長が見込まれる。