神奈川県は地球温暖化対策として、地元産の海藻を牛に与え、げっぷに含まれるメタンガスの抑制効果を検証する取り組みに着手した。近年、海藻を飼料にまぜると温室効果をもたらすメタンの生成が抑えられるという研究が進展。ノリの加工時に出る残りかすや、ワカメの切れ端など未利用部分を活用できないか「一石二鳥」の道を探る。

 メタンを含むガスは牛などの反すう動物の消化過程でつくられる。農林水産省によると、メタンは二酸化炭素(CO2)の25倍の温室効果があり、2021年度の農林水産分野のメタン排出量(CO2換算)で家畜のげっぷなどが3割以上を占めた。温暖化の一因とされ、対策が地球規模の課題となっている。