【ロサンゼルス共同】6月2日に大統領選が行われるメキシコで、同時実施される地方選の候補者らが殺害される事件が相次いでいる。犯罪組織が意に沿わない人物を狙うケースが多いとみられ、組織を批判したことで撤退するよう脅迫を受けた候補者もいる。近年で「最も血にまみれた選挙」になりかねないとの見方があり、専門家は「民主主義が危機にさらされている」と訴える。

 「立候補を取りやめなければ殺す」。中南部モレロス州の知事を目指すルシー・メサ氏の元には脅迫が次々と届いた。「犯罪組織と癒着している」と現職を非難し、警察の強化を公約に掲げるメサ氏は、連邦政府の警護対象に。米CNNによると、身の危険を感じ出馬を辞退する人もいる。

 メキシコメディアによると、中西部ミチョアカン州では2月、マラバティオ市長選への出馬を表明していた2人が殺害された。

 6月2日は地方自治体の議会議員なども合わせ、2万以上のポストを巡って投票が行われる。人権団体「ダタ・シビカ」によると、今年だけで既に候補者や出馬予定者約20人が犠牲になった。