新生活がスタートした春。自炊に初めて挑戦している人も時期、あらためて「ご飯をおいしく食べる方法」を3回に分けて紹介します。第1回目は、炊飯器具の選び方について。
炊飯器、土鍋、バーミキュラ…どれで炊く?
SNSでは、料理系インフルエンサーが土鍋でご飯を炊いていたり、インテリア好きな人がおしゃれなご飯鍋を使っていたりするのを目にします。「それを使うとおいしいの?」「楽なの?」と気になっている人のために、代表的な炊飯用機器の違いや特徴、それぞれの》メリット・デメリットを確認していきましょう。
・炊飯器
火加減や時間を気にせずご飯が炊ける手軽さは「炊飯器」が随一です。タイマー設定はもちろん、お米の銘柄によって炊き分けができるなど、さまざまな機能が付いているのも炊飯器ならではです。あえてデメリットを挙げるなら、他のご飯鍋のように収納できないので、場所を取るという点でしょうか。
・土鍋
土鍋で炊いたご飯は、炊飯器で炊いたご飯に比べると、お米一粒一粒が立っていてツヤがあり香りも良いと言われています。理由は、土鍋は熱伝導率が低く、ゆっくりと温度が上昇するため。その間にお米のうまみや甘みがじっくりと引き出されるというわけです。
デメリットは、底と上部で炊きムラができたり、焦げったりする点。また、IHコンロに対応している土鍋もありますが、基本的にはガスコンロで使用するものがほとんどです。
・羽釜
羽釜はシャキッと弾力があり歯ごたえのよいご飯が炊き上がります。硬めのご飯が好きという人におすすめ。
土鍋とは反対に、熱伝導率が高く一気に高温に達します。高温で一気に炊き上げるので、炊きムラが少ないのも特徴です。デメリットは土鍋同様、IH対応の物が少ないこと。また、独特の形状のため他の鍋と重ねることも難しく、収納の場所を取ってしまうという点です。
人気ブランドも展開する鍋、どんな炊き上がり?
・鋳物ホーロー鍋
ル・クルーゼやストウブ、バーミキュラなどのブランドが販売している鋳物ホーロー鍋は、蓋が重く密閉度が高いので、蒸気を逃さず一気に米に熱が伝わり、みずみずしくもっちりと炊き上がります。そのまま食卓に上げられるスタイリッシュさも人気です。
さらに1〜2合炊くのにぴったりの小さめサイズもあるので、一人暮らしの人にもおすすめ。ただ、鍋も蓋もとても重いので、取り扱いには注意しましょう。
・金属製の鍋
金属製の鍋でも、ご飯をふっくら、もっちりと炊くことができます。特にアルミは熱電率が良く短時間で沸騰するので、米の粒が立ったハリのある炊き上がりに。
ただし、アルミ製は焦がしてしまった場合に落としづらかったり、ステンレス製は熱伝導率が低いので炊きムラができ、部分的に焦げやすいなどといったデメリットもあります。
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全てのご飯鍋に言えることですが、米を水に浸す時間が足りなかったり、火加減や時間の調節などを間違うと焦げてしまったり、芯が残ってしまったりといった失敗はあるようです。
自炊に凝っている、よりおいしいご飯が食べたいといったこだわりが強い人以外は、まずはオーソドックスに炊飯器を選ぶのが順当でしょう。ただその他のご飯鍋も、何度も挑戦しながらコツをつかむことで新しいおいしさに出合えるポテンシャルを持っています。
いずれご飯鍋に挑戦して、炊飯器とはまた違うおいしさを発見するのも楽しいでしょう。
(渡邊倫子)