感覚過敏についての調査を実施

 障害や福祉サービスに関する情報サイト「マナポッケ」が、「感覚過敏」に関するアンケート調査を実施し、その結果を発表しました。調査は、2024年1月、発達障害(ADHD・ASD・LD)の男女113人を対象にインターネット上で行われました。

 発達障害の特性の1つとして「感覚過敏」があります。「感覚過敏だと感じることはありますか?」という質問に対し、8割以上が「はい」と回答しました。

 最も困っている感覚過敏について質問したところ1位が「聴覚(特定の音やにぎやかな場所が苦手)」、2位が「触覚(特定の感触が触られるのが苦手)」「嗅覚(特定の匂いが苦手)」という結果でした。

 1位の「聴覚」と回答した人は、
「コロナ禍以降感染防止のため職場の窓を少し開けているが、近所のビルで改築工事をしている音が仕事中気になってしまいイライラ・貧乏ゆすりなどの行動を自分の意思で制御できなくなった」
「ダンプや大型トラックなどの交通量の多い道が自宅から近いのですが、そんな大型の車が通る際の音の大きさが地響きのように聞こえてくるので、その際には酷いと頭痛になってしまうので困っています」
など具体例を挙げています。

 2位の「触覚」と回答した人は、
「自分は触覚に関して感覚過敏で、服などのタグが身体に当たるだけで、肌がヒリヒリしてきて痛くなります。そのため、購入した服はまずタグを切ってから着るようにしています」
「実習中や仕事中の何気ない場面で体に触れた時に大きく反応してしまい、迷惑になってしまった街中で誰かに会ったりぶつかった時に大きな声が出てしまうのでいつも警戒してしまい疲れる」
など、コメントを寄せました。

 また同率2位の「嗅覚」と回答した人は、
「人の肌のにおいが苦手です。その匂いは街で前を歩く人、電車内の周りの人、人が密室(待合室など)の距離で敏感に察知します。先日急を要してタクシーに乗ることになり、車内で過呼吸になりかけましたが寒い雨の中、窓を全開してもらい事なきを得ました」
「電車の中や地下鉄の中の密集している時にいろんな臭いが混ざっているのが気持ち悪くなります。空いている時は大丈夫だったりしますが、混んでいる時は本当に具合が悪くなるのでなるべく車で移動するようにしています」
などとコメントしています。

「年齢とともに過敏さに変化はありましたか?」/マナポッケ調べ

年齢による変化はある?おすすめの対策は?

 年齢とともに過敏さに変化はあるのでしょうか。「年齢とともに過敏さに変化はありましたか?」という質問に対し、「変わらない」が27.4%、「やや重くなった」が23%、「やや軽くなった」が20.4%とあまり大きな差は見られない結果となりました。年齢による過敏さの変化には個人差があるようです。

 これから感覚過敏とうまく付き合うために実際の対策方法を聞いてみました。

〈聴覚〉
片方だけBluetoothイヤホンをつけておく。別に音を鳴らさなくても良い。両耳ふさがるのは、プリウスのような車のわずかな音に気づかない可能性があり危険なので片耳がおすすめ。

〈触覚〉
自分は触覚に関して感覚過敏なので、肌に当たる服は気を付けています。購入した服のタグは切ったり、肌に優しい素材が使われている服を着たりしています。

〈嗅覚〉
マスクに自分が好きな香りのスプレーなどをして、それを身につけるようにしています。

〈視覚〉
日差しが強い日は外出時にサングラスを着用する。部屋の照明の明るさを下げたり、色を電球色(オレンジ系の色)に変える。

調査を行った「マナポッケ」は、「集まったコメントからもわかるように症状や内容も人によってさまざま。ノイズキャンセリングのイヤホンやサングラスなど様々な方法を試しながら自分に合った対処法を見つけていく必要がありそうです」とコメントしています。

(LASISA編集部)