今年の母の日は5月12日。お母さんに何を贈ろうか・・・と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そんなとき、「みんなは母の日に何をプレゼントしているんだろう」とか「そもそもお母さんはどういうものがほしいのかな」なんてこと、気になりませんか?そこで、ニッセイが毎年行う母の日アンケートの結果をもとに、母の日について、今年の傾向をレポートします!

贈る側ともらう側では金額やほしいものに違いがある



ニッセイ(日本生命保険相互会社)は2024年3月、母の日に関するインターネットアンケートを実施して、1万3029名から回答を得ました。昨年(2023年)と比較しながら、その結果をご紹介しましょう。なお、回答した人の割合は女性がやや多く、年代別では50代が最多です。

まず、「今年は『母の日』にプレゼントを贈る予定ですか?」と尋ねたところ、「贈る」と回答した人は全体の75.0%。昨年より8.6ポイントも上昇しています。ちなみに、「贈らない」とした方に「プレゼントを贈らない理由は何ですか?」と尋ねたところ、最も多いのが「贈る習慣がないため」で、この回答が全体の約半数を占めました。



続いて、「贈る」と回答した人に、「何を贈る(実施する)予定ですか?」と聞いてみました。
1位は「生花・カーネーション」で、全体の44.1%を占めています。この回答は、30代以上のすべての年代で40%超えです。
2位が「食事」で15.8%、3位が「スイーツ」で14.8%でした。
20代以下では「生花・カーネーション」の割合が低く、代わって全体5位の「小物・アクセサリー」が、ほかの年代と比べて割合がかなり高いのが印象的です。
なお、「手紙・メール・絵」と答えた人はわずか2.0%で9位でした。


反対に、「あなたが配偶者・お子さんにしてほしいこと・貰いたいものは何ですか?」と聞いてみたところ、やはり1位は「生花・カーネーション」で、全体の31.0%。2位も同様で、「食事」24.0%、3位も「スイーツ」17.1%です。
ところが、4位は贈る側のアンケートとはガラリと変わり、「手紙・メール・絵」で16.1%。年代別では20代以下が33.9%、30代が35.1%と、1位の「生花・カーネーション」より高くなっています。


小さな子をもつ年代のお母さんたちは、子どもが心を込めて書いてくれた手紙や似顔絵をもらうのがいちばんうれしいのかもしれませんね。


プレゼントの予算や希望金額については、贈る方のプレゼント予算は「3,000 円〜5,000 円未満」が 40.7%と最も多く、それに対して贈られる方の希望額は「3,000 円未満」が 39.0%と最も多くなりました。

また、贈る方のプレゼントの平均予算が5,948 円なのに対し、贈られる方の希望金額の平均は4,143 円となり、その差は1,805円に。贈られる方の希望額の1位は「3,000 円未満」で、この回答が全体の約4割を占めていますから、贈られる側はあまり金額にはこだわらないのかもしれません。



なお、「プレゼントはどのように渡しますか?」という質問への回答をみると、昨年は「直接会って渡す」が69.1%でしたが、今年は71.8%となり、わずかながら割合が上昇しています。

ニッセイ基礎研究所 生活研究部 上席研究員の久我尚子さんは、次のように話しています。
「今年の『母の日』のプレゼントは、定番の『生花・カーネーション』に続いて、2位には『食事』があがり、昨年までの2位であった『健康飲料・食品』を上回ったことが特徴的です。また、『直接会って渡す』割合もやや上昇しています。コロナ禍が明けて、『母の日』でも、外食や対面で会うことを再開しているようです。
また、例年、贈る側と比べると、贈られる側では『手紙・メール・絵』の割合が高く、プレゼント金額の希望が低い傾向がありますが、やはり、今年の調査も同様です。贈られる側は、お金というよりも、気持ちがこめられたプレゼントを望んでいるのでしょう」

贈られる側は、さほどプレゼントの金額にはこだわっていないようです。大事なことは、贈り物の内容や金額よりも、お母さんへの感謝の思いをきちんと伝えることなんですね。

普段のコミュニケーションが母の日にも反映



では、みなさんは普段、どのくらいお母さんとコミュニケーションを取っているのでしょうか。
「母親とどれくらいの頻度でコミュニケーションを取っていますか?」という質問をすると、「母親と週に 1 回以上コミュニケーションを取る」と回答した方は50.8%で、昨年の41.7%と比べて9.1ポイント上昇しています。
ただし、この質問の回答は男女差が大きく、「母親と週に 1 回以上コミュニケーションを取る」と回答した女性は 61.5%ですが、男性は 39.2%と低く、22.3 ポイントもの差があるのです。男性は母親と会話するのに照れを感じるのでしょうか。一方で、女性はマメにお母さんと連絡を取るようです。


ちなみに、「母親とコミュニケーションを取るときはどんなときですか?」という質問の回答では、1位が「母親の体調や様子が心配なとき」で、約半数がこの回答を選びました。ただ、30代以下では「雑談がしたいとき」を選ぶ人がもっとも多くなっています。

では、「母親とのコミュニケーション頻度」と「母の日のプレゼント」に関連性はあるのでしょうか?
アンケートによると、母親と「月に1〜2 回以上」コミュニケーションを取る方の70%以上が、母親または配偶者にプレゼントを贈ると回答しています。これが「3か月に1回」という方になると65.2%に減少しています。

「母親とのコミュニケーション頻度を見ると、頻繁にコミュニケーションを取る方が、昨年よりも増えています。プレゼントの傾向からも見られたように、コロナ禍が明けて、高齢な母親ともコミュニケーションを取りやすくなったのでしょう。
また、日頃から女性の方が男性と比べて母親とコミュニケーションを取る頻度が高く、母親とのコミュニケーション頻度が高い方が母の日のプレゼントを贈る割合は高い傾向があります。日頃からコミュニケーションを取っている方が、相手が喜ぶモノやコトを意識しやすいということなのでしょう」(久我さん)

「母親にしたい有名人第1位」は8年連続あの大女優

最後に、「母親にしたい著名人は誰ですか?」という質問への回答も挙げておきましょう。
全年代を見ると、以下のようになっています。

1位 吉永小百合
2位 天海祐希
3位 石田ゆり子


吉永小百合さんを選んだ人は全体の17.2%で、8年連続で第1 位! すごいですね。
その理由については「優しそうだから」と回答した人がもっとも多く、ついで「包容力がありそう」なので、吉永さんは優しく包み込むようなお母さん像を体現する女性なのかもしれません。
ちなみに、2位の天海祐希さんは20〜40代の女性人気が高く、3位の石田ゆり子さんには男性の支持が集まっています。
ただし、20代、30代には、北川景子さんや松嶋菜々子さん、綾瀬はるかさんも人気が高いようです。

5月12日の母の日は、ぜひお母さんに感謝の言葉を伝えてみましょう。高価なプレゼントや食事よりも、お母さんはあなたからの「ありがとう」「元気?」という言葉がいちばんうれしいものなのです。お母さんが心から笑顔になれる1日を贈ってあげてください。

文=高梨奈々