不動産関連の大手企業に勤めながら、副業で整理収納アドバイザーとしても活躍。さらには書籍執筆と、多方面で活躍する米田(こめだ)まりなさん。

今年の4月には、「仕事が忙しくても、目標達成する秘訣」をテーマに、『やる気に頼らず、仕組みで結果を出す 一生使える「目標達成」の技術』(大和出版)を上梓しています。

今回は米田さんに、明日からでも実践できるTiny hackを教えていただきました。

1. 自室をカフェ化して環境を整える

テレワーク、副業、リカレント教育など、自宅で集中して作業する機会が増えています。他方、「家では、思うようにはかどらない」という悩みを抱えている人も少なくありません。

そうした方々への、米田さんのアドバイスは「まずは環境を整えましょう」というもの。次のように詳しく説明します。

自室を、カフェのように快適な環境にするという視点を持つことです。


カフェの席には、余計なものは置いてないですよね。それと同じように、いま集中すべき仕事やタスクと関係ないものは、デスクから取り払うのです。そうしたものが目に見えてしまうと、気が散ってしまいます。


オフィスでは、会社がフリーアドレス制を導入していれば、社員はロッカーから自分の仕事道具を出して、仕事が終わったらロッカーに戻しています。この場合は、自然とカフェ空間のような環境が整っていると思います。


もし、フリーアドレスではない職場であっても、そのような環境にいるのと同じ気持ちで、デスクをすっきりさせるようにしましょう。

2. デスクの高さを最適化する

デスクの上とは別に、デスクの高さが合っているかどうかも意外と重要、と米田さんは話します。

テレワークでは、ダイニングテーブルを使う人は多いようですね。ただ、身長が低めの方だと、テーブルが高くて、かかとが浮き、姿勢が悪くなりやすいです。逆に高身長だと、テーブルが低いため首・腰に負担がかかってしまいがち。これが、ちゃぶ台だと、そもそもパソコンに向かって座っていられるのは、1時間が限界でしょう。高さが1、2センチ合わないだけでも、さまざまな不調に見舞われやすいのです。


一番のおすすめはスタンディングデスクですが、スペース的に家具を増やせない方もいるかと思います。その場合は、高さの調整ができる椅子を導入し、最適な座り姿勢ができるようにします。フットレストもいいですね。面積が広めで、足をゆったり置けるものを選びましょう。

3. 本棚に並ぶ書籍が問題となることも

米田さんは、整理収納アドバイザーとして、「テレワークに集中できない」と悩む人たちもサポートしてきました。その相談者の多くが、読んでいない本を本棚に並べていたそうです。集中力とは一見無関係な積読本の存在が、悪い影響を与えているのだそうです。

意外かもしれませんが、はかどらないのは、学生時代からのコンプレックスが一因のことがあります。


たとえば、英語コンプレックス。業務では英語は使わないのに、中高生の頃から英語が苦手で、それを克服したいという気持ちがある。それで、何とはなしに英会話の本を買い続けて、本棚には英語の本がずらっと並んでいる。だけれど、学習する気は起きないというパターンです。それで本棚を見るたびに、コンプレックスが無意識のうちに湧き上がって、自分の心を疲れさせている面があるのです。


それで私はよく、「本棚に気をつけましょう」と言います。視界になるべく触れないよう、そうした本は箱に詰めて押入れにしまうなどするといいでしょう。

4. 単純作業は「ながら」でこなすのはOK

米田さんは、周囲の環境だけでなく、思考や時間を整えることの重要性も説いてます。

多くの人にとって、スマホが最大の思考・時間泥棒になっています。通知が頻繁にあって、その都度チェックしているうちに、いつの間にか時間が経っていたという体験は、あると思います。


まずは、スマホにどれぐらい時間をかけているのかを、可視化しましょう。iPhoneであれば「スクリーンタイム」、Androidであれば「設定」の「Digital Wellbeingと保護者による使用制限」で確認できます。それで、1週間のうち何時間使ったかを見て、利用時間が多いと実感したなら、チェックする必然性の低いアプリをアンインストールするなりブロックすることです。


一方で、単純作業時であれば、バックグラウンドで音楽や音声が、スマホから流れているのは推奨しています。


たとえば、メールチェックや食器洗いをしている最中に、音声プラットフォームの「Voicy」やラジオが聴ける「radiko(ラジコ)」を聴く。私は、お笑いが好きなので、芸人が登場するラジオ番組を流して、モチベーションを上げるようにしています。

他方、YouTubeのような動画サイトは、聴くつもりで開いたけれど、面白そうなサムネイルがどんどん出てきて、見てしまうリスクはあり注意が必要です。

5. 雑務はアプリにメモして忘れる

思考や時間を整え方でもう1つ大事なのは、集中力の維持です。

家で仕事や勉強をしていてよくあるのが、家事や雑務をふと思い出して、集中力を失ってしまうパターン。後回しにできる細々としたタスクは、スマホのアプリにメモして、記憶せず、なるべく忘れるように心がけるとよいです。


私も活用しているアプリでおすすめなのが、LINEの「リマインくん」です。LINEのトーク機能で、「毎週火曜の7時にゴミ出し」などタスクを登録して、その日時が来るとメッセージで通知してくれる便利なものです。LINEを使う機会が多い人は、ぜひ取り入れてください。


集中できる時間管理術ですと、ポモドーロテクニックがおすすめです。ご存知の方は多いと思いますが、25分取り組んだら5分休憩のサイクルを繰り返し、2時間ごとに30分の長い休憩をとるというものです。


私の場合、会社の仕事では会議が多いこともあってできませんが、家で資格試験の勉強をしたときは、このテクニックを取り入れました。暗記科目は苦手意識を持っていたのですが、「ポモドーロテクニックで勉強するぞ」と、強制力をつけるとうまく進捗しましたね。

米田まりなさんに聞くTiny hack。続く後編では、挫折しない目標達成のコツをお伺いします。

▼後編はこちら

目標達成を挫折しないための4つのアドバイス。足し算でなく「引き算思考」がいいのはなぜ? | ライフハッカー・ジャパン https://www.lifehacker.jp/article/2406-workhack-komeda-matrina-02/

時間を制する5つの戦術! 生産性を高めるタスク管理法【今日のワークハック】 | ライフハッカー・ジャパン https://www.lifehacker.jp/article/2404_ways_to_increase_productivity_do_more-1/

【毎日書評】毎日できないから抜け出す!最強の時間術「タスクシュート」を実践する | ライフハッカー・ジャパン https://www.lifehacker.jp/article/2404_book_to_read-1446/