ファイナンシャルプランナーのヨバン・ジョンソン氏は、クライアントが宝くじを買うことに必ずしも反対はしません。今回は、彼が考える宝くじの注意点を教えてもらいました。


いつか宝くじで大金を当ててみたい。みんな、そう夢見ているものです。

宝くじで高額の当選金に関する報道をテレビで見るたびに、何もかも放り出して宝くじを買いに行きたくなります。「当たったら、何をしようか。仕事を辞めて、そしてずっとほしかった大きな立派な家を買うんだ」などと夢は膨らみます。

いろんなことを夢見るのは楽しいけれど、統計上、高額当選の確率は非常に低いです。宝くじを買うこと自体は何も悪くありません——ただ楽しむために、そして、予算の範囲内で買うのであれば

そこで私は自分のクライアントに、宝くじを買う前に気を付けてほしい4つのポイントをアドバイスしています。

1. 貯蓄を優先しよう

宝くじの購入を考える前に、資産づくりの目標に向けた貯蓄や生活費すべての支払いが順調にいっていることを確認しておきましょう。

たとえば、もし、それなりの額の生活防衛資金がないのであれば、宝くじにむやみにつぎ込む前に貯蓄をするほうが理にかなっているかもしれません。

「自分は宝くじを頻繁に購入するタイプの人間だ」と思うなら、宝くじ代を予算の項目に追加するのがいいでしょう。宝くじを買うのに使うお金は、娯楽費やお楽しみセット代だと考えるべき。

既婚者には、宝くじを買うことについて配偶者と話し合うことをおすすめします。

今では、宝くじをインターネットで手軽に購入することができ、紙で買うときよりも多くの額を一気に使ってしまうのも簡単です。携帯電話で宝くじが購入できることも、お金を使い過ぎでしまう一因となります。

自分の限度額を知っておきましょう。そして、決めた予算をしっかりと守りましょう

2. 負ける確率が高いことを理解しておこう

宝くじで勝てる確率は非常に低いです。

たとえば、日本の2023年「年末ジャンボ宝くじ」は、1等7億円および前後賞の各1億5000万円を合わせると最大10億円にもなります。

しかし、ファイナンシャルフィールドによると、年末ジャンボ宝くじの発行予定枚数は4億6000万枚で1等の当せん本数は23本、つまり当選確率は約2000万分の1になるそう。これなら、サメに襲われる確率の方がまだ高いでしょう。

何らかの勝てる公式や当たる数字をひねり出すことができると思っているのなら、考え直した方がいいです。当たる数字のパターンなどなければ、完璧な攻略法も存在しないのです。

3. 習慣にしてはいけない

毎年、連番とバラを5セットずつ、あわせて3万円を年末ジャンボ宝くじの購入に使うのなんて、大した額ではないと思うかもしれません。ですが、これが10年続けば計30万円になるのです。

この金額をインデックスファンドに投じれば、資産づくりの目標に向けた貯蓄で、差をつけることもできます。

だからこそ、宝くじ購入の頻度に上限を設定しましょう。高額当選金額に惑わされて資産づくりの目標を忘れてはいけません

宝くじの当選者に関する報道を目にすると、「宝くじを買っておかないと自分は大きな機会を逃してしまうのではないか」と不安になってしまうかもしれませんね。だが、前のめりになる気持ちを抑えて、長期の資金計画を思い出したほうがいいのです。

もし、あなたが賭け事をする習慣があるのならば、使ってもいい以上の額をつぎ込まないように、ファイナンシャルアドバイザーか配偶者、友人にアカウンタビリティ・パートナー(目標達成をサポートしてくれるバートナー)になってもらうことも考えてみましょう。

4. 老後の資金に手を付けてはいけない

高額当選金額がとてつもなく魅力的なのはわかります。しかし、だとしても宝くじを買うために老後の資金に手を付けることには強く反対します。当選確率が非常に低いというだけでなく、あなたの資産づくりの目標達成が危うくなりかねないからです。

宝くじに使う金額を一定の範囲内に抑える1つの方法は、信頼のおける友人や家族と共同購入すること。参加者全員が同額を出し合って、共同でたくさんの枚数を購入するのです。このやり方なら、自分だけで買うよりも、高い費用対効果で多くの宝くじを買うことができます

適切なスタイルで行なえば、宝くじ購入は楽しむことができます。ですが、宝くじに少なくない金額をつぎ込む前に、自分の資産状況が健全であることを確認しましょう。

宝くじが当たらなかったとしても、それでもなお、資産づくりの目標達成に向けてきちんと進んでいく必要があるのですから。

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Source: ファイナンシャルフィールド

BUSINESS INSIDER JAPANより転載(2023.11.20公開記事)