リニア新幹線工事を巡り国のモニタリング会議が開かれました。静岡市の難波市長が市の役割について説明したほか、再開したボーリング調査の状況などについて共有されました。

久須美舞記者
「通常は都内で行われるモニタリング委員会。きょうは県内の視察のため、島田市での開催となります」

 リニア新幹線工事を巡りJR東海の環境保全対策を確認する3回目の国のモニタリング委員会が開かれました。

 この中で、委員会に先駆けてJR東海の宇野護副社長、森貴志副知事、国交省の責任者である鉄道局技術審議官の3者が出席する会議が、初めて開かれたことが報告されました。

 この会議は、情報共有の多重化のためモニタリング会議の矢野座長が求めていたもので、河川法や県の盛り土条例など、工事に必要な行政手続きについて話し合われたということです。

Q.これまで県の立場は藤島に(発生土を)置けないというスタンスだったと思うが、藤島に置くことを前提とした協議を進めている?

JR東海・宇野護副社長
「私どもとしてはお願いできないかということを申し上げているところで、(県に)聞いていただいているということ」

森貴志副知事
「解決方法がいろいろあるが、現状では今(藤島沢に)土は置けないということについては変わりない。それは議論の中で様々な動きがあるんじゃないかという認識。情報はさまざまな場面で、さまざまな階層で情報共有することが非常に重要。そのための機会としては非常に良かったと思う」

モニタリング会議では

また、モニタリング会議には静岡市の難波市長が
初めて出席し、「河川の流量や水質などのモニタリング方法や評価の結果について公表ルールを明確にしておくことが順応的管理の要になる」と述べました。

久須美舞記者
「島田球場のすぐそばには県が設置した地下水位の観測用の井戸があります。JR東海はこちらの井戸をモニタリングで活用するとしています」

 会議の後、委員らは初めて静岡工区の現地を視察。

 島田市にある観測用の井戸では、JR東海の担当者から過去の計測結果などについて説明を受けました。

JR東海担当者
「深さ32メートル〜50メートルの水がこの井戸に入ってくるような形」

「全体で見るとプラスマイナス1メートル。それと比べて今までと違うとなると、その影響は何だと」

 委員らは、14日までの3日間、発生土置き場の候補地など合わせて4カ所を視察する予定です。

矢野弘典座長
「どういう風にモニタリングしているかということが分かった。まだ見始めたばかりなのでゆっくり見たいと思う」

委員による視察