重心をとらえた正しい立ち方【疲れない!痛めない!体の使い方ビフォー・アフター手帖】

足の裏の重心の位置が前にズレると、そのままでは前方につんのめる体勢になります。そのため腰を後ろに引いて、バランスを取ります。前方に倒れようとする力に、後方に倒れようとする力を合わせて吊り合わせるのです。この状態で力を抜くと、背中は前屈みに。つまり、猫背になります。

正しい立ち方をするためには、その根本を正します。足の裏の体重を乗せる位置を、体の中心線に移すのです。

するとすねの太い骨、脛骨(けいこつ)の上に乗っかるようになります。この重心で立てば、太く丈夫な骨が体重を支えてくれます。重い頭も、
背骨、骨盤、大腿骨、脛骨と骨格に支えられて、筋肉への負担も少なくてすむのです。

重心の場所は、感覚的には、かかとの少し前あたりです。一点に体重を乗せる意識ではなく、その点を中心に足の裏を広く使って立つイメージをすると上手くいきます。重心位置が決まると、体全体の力が抜けるようになります。力を抜いて立つというのは、ちょっと驚きの新感覚です。

重心をとらえた正しい立ち方【疲れない!痛めない!体の使い方ビフォー・アフター手帖】

【出典】『疲れない!痛めない!体の使い方ビフォー・アフター手帖』
著者:小池義孝 イラスト:千葉さやか(Panchro) 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
一義流気功治療院院長。昭和48年生まれ。平成18年「気功治療院一義流気功」を東京に開設。翌年に、気功治療の技術を伝える「一義流気功教室」を開設する。気功治療の内容はどの流派にも属さず、独自の歩みを続ける。肩こり、腰痛、猫背といった肉体の問題から、メンタルの問題まで、幅広く対応している。著書多数。30万部を超えるベストセラーになった『ねこ背は治る!知るだけで、体が改善する「4つの意識」』を始めとし、国内15冊、海外翻訳版(台湾、韓国)3冊、約累計70万部を送り出している。