中国を代表するIT企業のひとつであるシャオミ。そんな大手企業が3月末に発表したで新型BEV(電気自動車)のスタイリングが物議を醸しています。日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』は今回、中国の大手経済メディアまでもが悲観視したシャオミの新型車「SU7」のパクリ疑惑を紹介。さらに同メディアの「パクリが中国ブランドが世界に認められない一因」という見方を伝えています。

※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:中国嘆き「中国の自動車業界には、まだパクリが必要なのか?」

中国嘆き「中国の自動車業界には、まだパクリが必要なのか?」

中国メディア第一財経は2024年4月4日、「中国の自動車業界は依然として新たなパクリが必要なのか?」と題する論評を発表した。

背景には、いま中国で大人気のシャオミカー、小米(シャオミ)の初弾中大型セダンBEV「SU7」だが、実はそれが多くのパクリ疑惑を抱えていることが挙げられる。

熱狂の背後で

シャオミが行った2024年3月28日の「SU7」の発表会は、中国全土が注目し、熱狂した。そのため、その発表会は2023年末の特番に例えられ、2024年の幕開け、とも評された。

一方で、以前から「SU7」の外観、特にサイドはポルシェTaycanとそっくり、との指摘があり、発表会後、一部ではそれを揶揄する声も根強く聞こえた。

パクリ文化

中国新興、法拉第未来(Faraday Future)の賈躍亭氏も「SU7」について、「それにしても中国のパクリ文化には、今後を心配させられる」と公式SNSで配信、話題を呼んだ。

今回、第一財経という大手メディアが正面から取り上げたことで、この問題がまた正式にクローズアップされる可能性がある。

第一財経は、「もし20、25年前の、中国メーカーがスタートアップした頃、その時点の強い勢いのあるブランドや典型的なモデルを参考にする手法であれば理解できる。自動車輸出世界一となり、新エネルギー車(NEV)の販売台数やその技術力も世界一を喧伝する現在、この手法はいかがなものか」とする。

中国有数テックが

また、「ましてやそれを行ったのは、中国を代表するテック、シャオミであることも大きな問題だ。すでにスマートフォンやウェアラブル、スマートホーム等で確固とした地位をを確立した中国有数のテックが、結局はパクリに走るところに、本当の意味で中国ブランドが世界に認められない一因となり続けている」とした。

以前までに、シャオミが独自開発を主張した、モーター、チタン合金、ダイカストについても、中国現地ではパクリとして非難されたことがある。

シャオミはその後釈明にあたり、各サプライヤーとの共同開発だ、と主張を微妙に変えた。

中国の足かせに

「SU7」は今のところ販売好調が伝えられている。

しかし、「シャオミによるポルシェのパクリは中国自動車業界の後退だ。海外進出が続く中国メーカーにとってもマイナスにしかならない」ともいう。

自動車強国を目指す中国にまた一つ、新たな足かせが増えたようだ。

出典: https://mp.weixin.qq.com/s/AWroIMgOXjGqQyeIveMK9A

※CHINA CASEは株式会社NMSの商標です。

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