[北京 29日 ロイター] - 中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)が29日発表した第1・四半期決算は、純利益が前年同期比10.6%増の45億7000万元(6億3108万ドル)だった。四半期利益の伸び率としては2022年以来最低となった。売上高は同4%増の1249億4000万元で、約4年ぶりの低水準となった。EV需要の鈍化と価格競争が響いた。

BYDの第1・四半期決算は、コロナ禍で生産と納車に支障が出た2020年以来初の減収となった米EV大手テスラを上回る内容だった。だが、BYDは第1・四半期、販売台数で昨年獲得した世界一の座をテスラに返上した。

さまざまな価格帯の車種を持つBYDは、景気回復の足踏みが続く中、慎重な消費者に向け値引きに力を入れる一方、高級化を進める取り組みを強化している。

25日に開幕した北京自動車ショーでは、「仰望(Yangwang)」ブランドで同社3車種目となる超高級モデル「U7」を披露した。

同社は2月以降、既存モデルの最新バージョンの価格を以前のバージョンから5─20%引き下げている。

今年の年間販売台数は、記録的な昨年の水準から20%増を目指しているが、地元の新興EVメーカーからの追い上げを受けている。