令和のアニメシーンを賑わせる「平成アニメ」の新作

 劇場アニメ『THE FIRST SLAM DUNK』が大ヒットを果たしてから早1年、2024年の春クールは、「平成アニメ」の続編や新作がいくつも放送される予定となっています。いったいどんなタイトルが控えているのか、ファンが熱烈に待望していた新作を3つあげてきます。

●10年ぶりのTVシリーズ新作『黒執事 -寄宿学校編-』

 4月13日からは、シリーズ累計3500万部を超える人気マンガを原作とした『黒執事 -寄宿学校編-』の放送が始まります。アニメ6作目にあたり、おなじみ名門貴族の主人シエル・ファントムハイヴと、その執事であるセバスチャン・ミカエリスの活躍が描かれる予定です。

 初のアニメ化は2008年のことなので、およそ15年前です。その後はTVアニメやOVAなどの制作を挟みつつ、2017年には劇場アニメ『黒執事 Book of the Atlantic』も公開されました。

 今回のアニメ化は、TVアニメとしては約10年ぶりの新作となり、制作会社はCloverWorksに代わっていますが、セバスチャン役の小野大輔さん、シエル役の坂本真綾さんを始めとして、メインキャスト陣は続投が決定済みです。また第1期の『モノクロのキス』や第3期の『ENAMEL』など、長年主題歌を手掛けてきたシドがエンディングテーマを担当します。

●「わっち」との旅、ふたたび……『狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF』

 同作は支倉凍砂氏のライトノベル『狼と香辛料』を原作としたアニメで、実に15年ぶりの完全新作となります。

 ストーリーとしては、中世ヨーロッパ風の世界を舞台に、若き行商人のクラフト・ロレンス(CV:福山潤)と、豊穣を司る狼の化身であるホロ(CV:小清水亜美)の旅が描かれていきます。「経済」を題材としているところも独創的で、最初にアニメ化された2008年には大きな反響を呼びました。

 さらに斬新だったのは、ホロのキャラクター設定です。ケモノ耳のかわいらしい少女でありながら、威厳たっぷりな態度で自らを「わっち」と呼ぶ姿に、多くの視聴者が釘付けになりました。また声優の小清水亜美さんによる演技も、「魔性」と言いたくなる魅力があります。

 4月1日深夜から始まる新作アニメでも、ホロとロレンスの担当声優は続投となっています。また続編ではなく、ふたりの旅路がふたたび最初から描かれるため、過去作を見ていない人でも安心して楽しめるでしょう。

●話題性抜群の青春アニメ『響け!ユーフォニアム3』

 いわゆる「懐かし」枠ではないものの、青春吹奏楽アニメ『響け!ユーフォニアム』の第3期も、高い注目度を誇っています。

 同作は武田綾乃氏の小説を京都アニメーションがアニメ化した作品で、第1期は2015年に放送されました。その後2016年に第2期が制作されたほか、劇場アニメも5本公開されています。

 2023年8月には、4年ぶりの完全新作となる『特別編 響け!ユーフォニアム〜アンサンブルコンテスト〜』が公開され、大きな話題を呼びました。それに続いて今期放送が始まる『響け!ユーフォニアム3』は、TVアニメとしては7年半ぶりの新作となります。

 内容は「久美子3年生編」として、黄前久美子が高校最後の吹奏楽コンクールに挑むストーリーとなる予定です。放送開始は4月7日から、NHK Eテレで日曜午後5時からの「夕方アニメ」となります。

 なお5月からは、「コードギアス」シリーズの新作『コードギアス 奪還のロゼ』が全4幕で劇場公開されるほか、秋頃には『夏目友人帳』第7期の放送も決まっています。2024年は「平成アニメ」の時代になるのかもしれません。