あれ? 知っているデスゲームとは違いすぎる!
友人に裏切られ、借金を背負ってしまった男性は、いかにも怪しげな男から仕事を紹介してもらいます。行ってみると、そこはデスゲームの会場。しかし、何より驚きだったのは、そのデスゲームが行われている場所で……?
野火けーたろさん(@nobi_yasashii)が「めちゃくちゃなデスゲームに参加する話」としてX(旧:Twitter)掲載した『ぐだぐだデスゲーム』が話題です。いいね数は6500を超えており、読者からは「ツッコミどころ多くてすぎてワロタ」「デスゲームのギャグマンガってたいがい面白いけど、これが一番振り切っているな! 屋外って(笑)」「もはや始まる前からゲームが死んでいる」などの声があがっています。
野火けーたろさんは漫画家として活動しており、お悩み解決ハイスクール・シュールギャグマンガ『助けてヘルプミー』上下巻(KADOKAWA)が2024年4月12日に発売されました。
作者の野火けーたろさんにお話を聞きました。
ーー今作『めちゃくちゃなデスゲームに参加する話』が生まれたきっかけや、理由を教えて下さい。
物語においてデスゲームというのがジャンルのひとつになって久しいですが、まだまだ可能性あるんじゃないかなと。自分ならどうアプローチできるだろうか……自分なりのデスゲームを作ってみたいと考えて生み出しました。
ーー知っているデスゲームとはまったく違う状況に笑ってしまいました。今作を描くうえで気を付けたことや、お気に入りのシーンなどはありますか?
デスゲームですが、人が死なないようにしました。あくまでギャグマンガなので……。あとはメチャクチャなことをやりつつもお金の面だとか、交通費は片道のみとか細かいところでのリアリティは気をつけました。お気に入りシーンの「公園を借りたので別室とかがないんですよ」は僕の日雇いバイトでの体験そのままです。
ーー主催者の「石坂安彦」に対して読者の方から多くの反響がありました。このキャラクター制作でこだわった点はありますか?
とにかくグダグダさせることにこだわりました。余計なことを話すし、余計なことをやる。やりすぎると本当にマンガとしてグダグダするんでそこは気を付けつつ……。現実のおじさんらしく、小遣い制や家族と買い物に行くなどの人間味をもたせることで、一般に想像されるようなデスゲーム主催者とはかけ離れて欲しかったです。
ーーそのほかにも、たくさんの感想が寄せられています。特にうれしかった感想の声、印象に残った読者のコメントはありましたか?
こちらの作品は「コミティア」での頒布をしたのですが「これを買うために初めてコミティアに来ました」と言ってくださる方がいたことです。ここまで人の心を動かせたんだなぁ……と胸が熱くなりました。
ーー野火けーたろさんがマンガを描き始めたきっかけを教えて下さい。
いくつか理由はあるのですが、大きいのは大好きな「マキシマム ザ ホルモン」というバンドの存在です。曲だけでなくて映像やライブ、企画がなにもかも面白くて斬新でカッコ良すぎるのです。「そうくるか」「そうきたか」「うわっ……やられた!」って思わせてくれるバンドです。
そこに触れて自分でも「何か物を作って人をビビらせたい」「やられたって思わせなきゃ」と考えるようになり、自分なら得意な絵や物語だろう……とマンガを描き始めました。
ーー今後、X(旧:Twitter)で発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?
「やられた」「その発想があったか」と思わせられるようなネタの作品を描いていきたいです。あと自分の本業というか、本拠地は商業誌なので……どんな連載しているんだろう、どんな作品出しているんだろうって商業誌の活動につなげていけるよう頑張りたいです。