美人キャラのギャップにハマるの確定?

 2024年4月から始まった春アニメでは、『ゆるキャン△ SEASON3』 や『転生したらスライムだった件 第3期』といった続編アニメが多数放送されて話題を呼んでいます。一方、春クールから始まった新作アニメのなかには、SNS上で話題となっている「ダークホース作品」もあるようです。今回は、特に大きな盛り上がりを見せる3作を見ていきます。

 4月4日からTBSほかにて放送している『変人のサラダボウル』には、「今期のダークホースだ」という声が出ています。同作は『妹さえいればいい。』でコンビを組んでいた平坂読先生とイラストレーターのカントクさんが再度タッグを組んだ同題ライトノベルを原作とする作品で、貧乏探偵の「鏑矢惣助(CV:古川慎)」と、異世界の皇女「サラ・ダ・オディン」(CV:矢野妃菜喜)との奇妙な共同生活を描くコメディアニメです。

 全体的に話のテンポが良く、ダラダラと同じようなシーンが続くようなこともないため、継続視聴しやすいと好評を集めています。またSNS上では、サラの側近である美人騎士の「リヴィア・ド・ウーディス」(CV:M・A・O)に注目が集まっていました。リヴィアはサラを追って異世界転移したものの、ホームレス生活を送ることになり、彼女のライフスタイルに衝撃を受けた人も少なくないようです。

 ジャージ姿となったリヴィアはお風呂の代わりに川で水浴びをしたり、バッタを食べたりと、凛々しい美人キャラからは想像できない行動をしています。また、3話ではリヴィアがカルト教団に勧誘される展開があり、「よく放送したな」「ギリギリでは」と攻めたネタに驚く人もいました。これからもギャグと攻めた姿勢に期待が集まります。

 そのほか、4月5日よりTOKYO MXなどで放送中のオリジナルアニメ『ガールズバンドクライ』の評価も高いです。同作は高校を中退して単身上京した主人公の「井芹仁菜(CV:理名)」、ストリートミュージシャンの「河原木桃香(CV:夕莉)」、負けず嫌いなお嬢様の「安和すばる(CV:美怜)」、心を開けない「海老塚智(CV:凪都)」、芸術センスにあふれた天才肌の「ルパ(CV:朱李)」が出会い、ガールズバンド「トゲナシトゲアリ」を結成し、夢に向かう姿が描かれます。

 フルCG作品なので、慣れていないと違和感があり好みが分かれますが、歌唱シーンや曲への評価が高く、YouTubeでは再生回数が1000万回を突破している曲もあります。バンドオーディションで選ばれた5人が声優を務めており、抜群の演奏や歌唱力も好評を得ているようです。

 また、勉強そっちのけで作曲に熱中したり、親に反抗したりする思春期真っ只中の仁菜の姿に、自分の過去を重ねて感情移入してしまった人の感想も見受けられました。CGだからこそできるVRのような一人称視点も、アニメの世界への没入感を高めてくれます。

『夜のクラゲは泳げない』ティザービジュアル第1弾 (C)JELEE/「夜のクラゲは泳げない」製作委員会

劇場版レベルの作画に圧倒される!

 同じく少女たちがアーティスト活動をする姿を描いた『夜のクラゲは泳げない』もオリジナルアニメ作品で、SNS上で「今期のダークホース的作品」と評価されています。4月6日よりTOKYO MXほかで放送中です。

 活動休止中のイラストレーター「海月ヨル」こと主人公の「光月まひる(CV:伊藤美来)」、元アイドル「橘ののか」こと「山ノ内花音(CV:高橋李依)」、Vtuber「竜ヶ崎ノクス」こと「渡瀬キウイ(CV:富田美憂)」、謎の作曲家「木村ちゃん」こと「高梨・キム・アヌーク・めい(CV:島袋美由利)」の4人が匿名シンガー「JELEE」を結成し、「量産型の自分じゃない何者か」になることで輝こうとしていきます。

 同作は映画並みの作画も好評の作品です。舞台である渋谷のリアルな情景や、臨場感があるヌルヌルしたカメラワークも相まって、まるで実写映画を見ているような感覚にもなっていきます。

 また、同級生にバカにされて絵を描くのをやめたまひるや、ネットの炎上でアイドルをやめることになった花音など、挫折を味わった登場人物たちの過去も丁寧に描いており、そこから再度夢を追いかけようとする彼女たちを応援したい、という気持ちにさせてくれる作品です。