もうすぐゴールデンウィーク。旅行やキャンプを計画し、SDGsを考えて歯ブラシのトラベルセットを使う予定の人もいると思いますが…前回使ったのはいつ、そして、どのように収納したか覚えていますか? 

サッとすすいでパカッと歯ブラシ部分をケースに入れてポーチにそのまま、帰宅してしっかり乾かしてから、旅行の度に使って捨てている…。はたして、どうするのが一番良いのか? 正しいケア方法や利用方法などをオーラルケア製品を手がけるサンスターグループ広報部(東京都港区)に聞きました。

歯ブラシはもちろん、ペーストの使用期限にも注意を

――トラベルセットの使用後はどうすれば?

ご旅行先での保管はカバンの中に仕舞われることが多くなるかと思いますが、お部屋などではなるべく洗面スペースなどの開けた風通しの良い場所に保管いただくことをおすすめいたします。

旅行後は、普段ご自宅でブラッシングされた後と同様に洗ってください。そして、歯ブラシをポーチやケースにしまう時は、完全に乾かしてから収納することが大切です。

――完全に乾かすことが大事なのですね。

歯ブラシは乾燥時間の経過に伴って付着菌数が減少していくことが研究で証明されています。使用期間、乾燥条件、毛束部位などによって細菌汚染の程度は異なってきますが、歯ブラシを衛生的に保持するためには、乾燥した状態で保管すること、定期的に取り換えること、抗菌毛の歯ブラシを使用することなどが有効と考えられています。基本的に歯ブラシは使用期間が長くなるほど付着菌数が増えていきますので、弊社では1ヵ月に1度の交換を推奨しています。

久々の旅行では買い替えるのがベター

――次の旅行まで保管していたものを使っても大丈夫?

旅行から戻り、トラベルセットをそのままカバンやスーツケースと一緒にしまいこむと衛生面に不安が残ります。

次の旅行まで時間が空く場合や、長期間使う予定がない場合は、オフィスでの昼みがき用や普段づかいのカバンに常備する外出用、中身をバラして自宅用などにしていただくのがおすすめです。そしてよほど頻繁に旅行しない限り、できればいつも新しいトラベルセットを使用することをおすすめします。

――セットされている歯磨きペーストの使用期限は?

歯磨きペーストの使用期限は3年です。ただ、開封から3年ではなく歯磨きペーストのパッケージ裏面最上部にある製造日の刻印から3年ですので、ご注意ください。

――SDGsへの取り組みで、歯ブラシセットをセルフカウンターから持っていくホテルやフロントに声かけする等のホテルも増えているかと。トラベルセットを自身で用意する利点は?

旅先でも自分の好みのメーカーや形状の歯ブラシで磨くことができるのはもちろんですが、トラベルセットの使用はそれだけで一つの環境活動になると考えられます。弊社でも、環境対応は我々が果たすべき社会責任のひとつであると考えており、ひとりひとりの取り組みが未来の環境保護に繋がると信じておりますので、旅行先だけでなく様々なシーンで活用できるトラベルセットの使用をおすすめしたいです。

みんな、トラベルセットを使っている?

サンスターが2014年に行った調査によると「直近1年以内にオーラルケア製品のトラベルセットを使ったことがあるか?」という質問(n=10001)に対し、「ある」と答えた人が28.7%でした。

そして、「トラベルセットをどのくらいの頻度で使用しているか?」という質問(n=1500)には、36.4%の人が「月に1回以下しか使っていない」と回答。このことからも旅行のたびに古いハミガキセットを使っている人が少なからずいることが予想されます。また、「1日1回以上使う人」が42%と比較的高く、トラベルセットを仕事場や外出先で普段づかいしている人がいることもうかがえます。

防災として歯ブラシを準備するなら…

また昨今、防災セットに歯ブラシセットを入れておくことを推奨するガイド等も見かけます。「使用後のトラベルセットの再利用に良いかも」と思い、広報さんにお尋ねしてみたところ、「災害時には特に高齢者の方の誤嚥性肺炎のリスクが上昇します。水の使用が限られている場合こそお口を清潔に保つ必要があるので、歯ブラシセットは新品を備えておくことをおすすめします。また、水が全く使えない場合はデンタルリンスが効果的ですので、ご用意頂いて損はありません。

ただ、市販品は品質保持が3年になっておりますので、企業・自治体様向けに5年5カ月の保存期限がある防災備蓄用の製品も販売しております」と教えてくれました。防災セットにも新品の歯ブラシセットやデンタルリンスを忘れず追加し、使用期限を確認するのも忘れないようにしましょう。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 真弓)