経済同友会の夏季セミナーが3日、2日間の日程で長野県軽井沢町で始まった。初日の3日は企業経営者やNPO法人の代表ら約60人が出席し、人口減少下での社会保障改革や、政策本位の政治を実現するための政治改革などについて議論した。

 議論に先立つあいさつで、新浪剛史代表幹事は「デフレからインフレの社会への大きな時代の転換点を迎えた」との認識を示し、「デフレマインドを捨ててアニマルスピリッツで、イノベーションを喚起し、資本主義のダイナミズムをもっと展開しないといけない。厳しい競争の中で、新陳代謝を起こすことは日本経済に非常に重要だ」と産業界の変革の必要性を訴えた。

 社会保障の議論では、賃上げと雇用の流動化が進む中、社会保険料の負担のあり方などがテーマになった。パネリストとして登壇した外食大手ロイヤルホールディングスの菊地唯夫会長は「個人の価値観は多様化し、企業に依存しなくなっている。セーフティーネットや社会保障もそれにあわせて考えなければいけない。意識変革がもっとも重要だ」と述べた。

 4日は11月の米大統領選などに伴う地政学的リスクへの対応などを議論する。【道永竜命】