「『小さな暮らし』を選んだのは、終活のためではありません。これからも立ち止まらず、気持ちよく前に進むための方法なのです」と語る管理栄養士で料理研究家の村上祥子さん。今回は「小さな暮らしの10のルール」についてお聞きしました。

※この記事は月刊誌『毎日が発見』2022年5月号に掲載の情報を再構成したものです。
【ルール】毎日の食事に1人分冷凍パックを常備
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野菜は一口大、かたまりの肉も一口大に切って、野菜100g、肉50gを保存袋に入れて冷凍。野菜100gの冷凍もおすすめです。

食品ロスをなくすために、余った野菜や肉をおいしく食べる方法を紹介します。
まず、余った野菜を食べやすい大きさに切ります。
これをきっかり100g計って保存袋に入れ、肉も食べやすい大きさに切って、50gを野菜と一緒に保存袋に入れて冷凍保存します。
冷凍保存をした野菜と肉は、保存袋の口を開けて、600Wの電子レンジで4分加熱します。
加熱後は器に移して、ポン酢しょうゆ、ごまだれ、オリーブ油と塩こしょう、アマニ油としょうゆなどお好きなたれをかけて食べます。
また、加熱した野菜と肉をマグカップに入れて水150mlを注いで、600Wの電子レンジで3分加熱。
みそ小さじ2を混ぜればみそ汁に。
みその代わりにコンソメを加えればポトフになります。
これと同様に、ルー1人分20gを加え、600Wの電子レンジで3分加熱します。
ルーを替えればカレー、ホワイトシチュー、ドミグラスシチューになり、一つの具材が幾通りもの料理に生まれ変わります。
組み合わせる野菜、たんぱく質は、そのときにあるものを一口大に切って入れます。

【ルール】「食べ惜しむ」をやめる
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珍味や上等な生ハム、季節にならないと手に入らない山椒の実など、とっておきたくなるが...。

いただいた高価な食品はすぐに食べず、何かのためにとっておく方が多いのでは?
高価だったといっても食材です。
新鮮なうちに食べることにしています。
冷蔵庫の中で死蔵されている食品でいちばん多いのが食べ惜しんだために、とっておいたものです。
賞味期限がずっと先だから、高価な食品だから、大好物だから大切に食べたい、理由はいくつもあるでしょう。
そんな食品が冷蔵庫を占拠しています。
冷蔵庫が雑然として食品であふれかえっている理由の一つが、「食べ惜しみ」。
いつかお客様が来たときに出そう、特別な日のためにとっておこうなどと思わず、新鮮なうちに食べてこそ、そのおいしさを味わえます。
自分だけでは食べ切れない場合は、お裾分けするのもいいですね。
おいしいものはいちばん若い人から食べていただくのが村上流。
子どもにもスタッフにも同じルールで接しています。


撮影/江口 拓(スタジオ COM)

<教えてくれた人>

管理栄養士 料理研究家
村上祥子(むらかみ・さちこ)さん

福岡県生まれ。公立大学法人福岡女子大学国際文理学部・食・健康学科客員教授。同大学内「村上祥子料理研究資料文庫」では50万点の資料が一般公開されている。