多くのビジネスパーソンがデジタルツールを使いこなす現代。反面、対人スキルが身についていない、コミュニケーションの正解がわからないという方も多いのではないでしょうか? 大手広告会社で30年間営業職として勤務した経験を持つ、気くばりのプロフェッショナル・後田良輔氏が、そんなお悩みを解決! 1テーマたったの3分で「昭和の仕事術(アナログコミュニケーション)」が身につきます。『今こそ使える昭和の仕事術 ビジネスマン30年生の経験がたった3分で身につく』から、知っている人と知らない人で大きな差が生まれる昭和の仕事術を紹介。昭和の仕事術を令和の今、生かしましょう!
※本記事は後田良輔著の書籍『今こそ使える昭和の仕事術 ビジネスマン30年生の経験がたった3分で身につく』(かんき出版)から一部抜粋・編集しました。

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※写真はイメージです(画像提供:ピクスタ)

メールやSNSのラリーは自分で終える

【やり方】
メールやSNSのラリーは自分で終える。
【効果】
相手から丁寧と思われ、また終わり時で悩むことがなくなる。

丁寧さを獲得し、無駄も排除できる作法
あなたはクライアントからのメールをスルーして失敗したり、どのタイミングで終わるのかがわからず無駄な時間に悩んだことはありませんか?
3,000名のVIPを観察して発見したことのひとつに、「メールやSNSの終わり方がうまい」というものがありました。
「メールと思うから難しくなる。手紙に置き換えて考えるとわかりやすい」と、あるVIPは言いました。
手紙は近況報告やお礼など、何かの目的のために自分が送るもの。当然、その目的が達成できればやりとりは終わります。この考えに則り、「メールやSNSのラリーは自分で終える」というルールを作れば、やりとりがシンプルになり、かつ相手から丁寧と思われます。
やりとりのパターンは2つしかありません。
① 自分が送る → 相手が返す → 自分で終わる
② 相手が送る → 自分で終わる
※ お礼が帰ってきてもお礼にお礼は返す必要はない
このシンプルなルールを徹底し、メールやSNSの終わりは「自分」と決めてください。「終わりよければすべてよし」と言われるように連絡も最後の印象が大切です。
返信を自分で終えるだけで丁寧と思われ、無駄な時間もなくなるので一石二鳥の効果があります。

メール・SNSは最低2時間以内に反応する

【やり方】
メール・SNSは2時間以内に反応する。
【効果】
相手のやきもきした気持ちがなくなり、コミュニケーション上手と思われる。

人気の秘訣は素早い「やまびこ」にあり
『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』(越川慎司著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)によれば、トップ社員のメールの返信は15分以内であるとのこと。コロナ禍によるデジタルの進化もあり、「メールの返信は24時間以内」というビジネスマナーは死語になりました。
ハイブリッドな働き方が主流の今は、物理的に外出したり、リアルな来客対応でパソコンから離れる時間が減ったため、素早く反応しないと失礼な時代に変化しています。
仕事を翌日に持ち越したいと思って、メールやSNSをしている人はおりません。返信の遅さは相手のストレスそのものです。そのため返信の素早さが「相手想いのおもてなし」となっ
ています。
事実、返信が早いというだけでお客様からの指名が増える営業パーソンもいます。
「メール・SNSは2時間以内に反応する」「1時間に5分間の返信タイムを作る」「すぐに返せない内容は『〇日の×時までに返信します』と状況報告する」などを行えば、あなたに頼りたいと思う人が自然と増えていきます。
返信は「ハイキングのやまびこ」と同じです。あなたの「ヤッホー」という声に素早くやまびこが返ってくる山には何度も行きたいですが、無反応の山には二度と行きたくないですよね。メールもSNSも気持ちのよいタイミングのやまびこが人気の秘訣なのです。


後田良輔
大手広告会社に30年間営業職として勤務し、誰でも使える「タイムパフォーマンス抜群の気くばり(略してタイパ気くばり)」を駆使する気くばりのプロフェッショナル。これまで応対したVIPは、世界企業のCEO、東証上場会社の社長、政治家、医者、弁護士、大学教授、大物俳優、ミリオンセラー作家、世界No.1クリエイターなど総勢3000名を超える。この特別丁寧に接しなければならない顧客との交流で磨かれた上質なスキルと、「東京・名古屋・大阪」のビジネス三大都市で、実際に住んで身につけた30年のリアルな経験をぎゅっと凝縮させた誰でも使える「タイパ気くばり」に定評がある。