岩手県岩泉町は「畑ワサビ」の栽培が盛んで、その生産量は日本一を誇っている。
この「畑ワサビ」を使った加工品は、和食・洋食・中華と様々な料理を引き立てる万能調味料だ。

ワサビには、湧き水などで育てる方法と畑で育てる2つの栽培方法がある。
それぞれ「水ワサビ」・「畑ワサビ」と呼ばれていて、水ワサビは主に根をすりおろして使い、畑ワサビはチューブなどの加工品用に茎や葉が使われている。

岩泉町は「畑ワサビ」の栽培が盛んで、その生産量は日本一を誇っている。
春から初夏にかけて苗を植え、翌年の6月から10月に収穫を迎える。

畑ワサビ農家の中瀬福男さんは、山の斜面を利用したテニスコート5面分ほどの広さの畑で約4000本の畑わさびを栽培している。畑ワサビ作り30年以上の大ベテランだ。

中瀬さんは「ワサビを傷めないように手入れが何より大事。日本一というのは出荷量の日本一になっているが、味も、また日本一だと思う」と話す。

その「畑ワサビ」を使った商品が今、注目を集めている。その名も「畑わさベーゼ」。和・洋・中を問わず様々な料理に使える万能調味料だ。
開発したのはヒット商品「岩泉ヨーグルト」などを製造している岩泉ホールディングス。

岩泉ホールディングス 営業販売課 鎌取望さん
「『畑わさベーゼ』は岩泉特産の畑で育てた畑ワサビの茎を使った調味料で、野菜やカツオのだしを加えて、仕上げに『ひまわりオイル』を使用している。特徴のないオイルを使っているので、いろんな料理に合うような仕上がりになった」

中條奈菜花アナウンサー
「そのまま食べてみるとシャキシャキの食感。かなり鼻に抜けるワサビ独特の辛さがあり、ワサビ好きにはたまらない。さわやかな風味でおいしい」

また、鎌取さんは「乳製品とも相性がよく岩泉ヨーグルトプレーンに蜂蜜を少し添えて『畑わさベーゼ』と食べると深みが出ておいしい」と、おすすめの食べ方を教えてくれた。

この「畑わさベーゼ」は2024年4月、日本農業新聞・一村逸品大賞で最高賞を受賞した。

宮古市の「居酒屋笑びす」は「畑わさベーゼ」を使ったメニューを提供している。

そのひとつがマヨネーズに「畑わさベーゼ」をしっかり混ぜ、ワサビのきいたタルタルソースを付けて食べる「イカ王子のタラタラミックス」。

居酒屋笑びすの千束隆範さんは「フライで日本酒と結びつく料理はあまりないと思うが、このワサビの風味が日本酒との相性もグッと良くしてくれる」と絶賛する。

さらに、ポテトサラダに「畑わさベーゼ」を練りこんだ「ポテト鯖ダ(さばだ)」は、ほんのりワサビ風味で、「クラッカーの塩味とポテト鯖ダの旨味と、そこに『畑わさベーゼ』のワサビの風味が合わさり、お酒にすごく合う」と千束さんのおススメの一品だ。

居酒屋笑びす 千束隆範さん
「『畑わさベーゼ』はアレンジもしやすいし、どんな食材や料理も引き立ててくれる素晴らしい商品だと思って普段使っている」

「畑わさベーゼ」は、岩泉町内の道の駅をはじめ、県内各地で販売されている。

生産量日本一を誇る岩泉の畑ワサビは、今後も生産の拡大をはじめ、畑ワサビを使った商品開発や町おこしにも期待が高まる。