20日の鹿児島県知事選の告示日まで16日で、あと4日となった。少子高齢化や地方と都市との格差、子育て支援などの課題が山積する中、将来に危機感を抱く若い世代は多い。注目する政策や論戦を10〜20代の4人に聞いた。

 志布志市のフリー英会話講師アルダリンクあや乃さん(26)は、同世代の多くが進学や就職で県外に出ていく現状を危惧する。やりがいを感じる仕事の創出や、高校生、社会人が学べる施設整備などを通して、「若者が暮らしやすい県にしてほしい」。カナダへの留学経験もあり、海外と日本では差があるジェンダーフリーの推進にも期待する。

 「地元に愛される場所」を目指し、霧島市に3月開業した温泉カフェ店長の浜弓場美来さん(23)は「もっと若者が元気に活動できる地域になってほしい」と望む。「10代や20代が鹿児島の将来について話し合う場所があれば面白そう」。立候補予定者の演説会では鹿児島空港の活性化策に共感したとし、「他の人の話も聞いてみたい」と意欲的だ。

 初めて選挙権を行使する出水市の出水商業高校3年浜田猛さん(18)は、観光施策に関心を持つ。新幹線が通り、ツルも飛来する出水のポテンシャルは高いと感じるが、魅力を生かし切れていないと思うからだ。

 2年時には、街づくりの課題や可能性を探るワークショップに参加。「観光振興で街を活性化してくれる候補者を選びたい」

 一方で、県政と県民との距離の遠さを指摘するのは、鹿児島市の予備校生福留聖也さん(18)だ。日程が同一の都知事選と比べ盛り上がっていないと感じており、友人とは国政が話題になることはあるが県政はないという。特定の団体や組織と結び付いた選挙や政治に古い印象も抱いている。

 前回の2020年県知事選の18、19歳の投票率は33.67%。21年の衆院選より8.19ポイント低い。福留さんは「子どもや孫世代に安心できる社会を残したい」と政治家を目指しており、知事選では「本当に実現できる政策を掲げているかを見極め、一票を投じたい」と考えている。