ステンドグラス工房「Mare(マーレ)」(秋田市御所野)が5月1日、運営5周年を迎えた。(秋田経済新聞)

 菊地真梨奈さんと仏壇関連団体のコラボ作品「SHAKA sama」

 羽後町出身の菊地真梨奈さんが、2019年、秋田市内の自宅に立ち上げた工房。オリジナル作品の制作やオーダーメイド品の受注、修復などを手がける。

 「幼い頃から、母親の出身地の長崎で西洋文化や建築物に触れていたこと」などから、ステンドグラスを身近に感じていたという菊地さん。2016(平成28)年、秋田市雄和でステンドグラス工房を運営する熊谷聡さんに出会ったことをきっかけに制作を始めた。その後、「秋田の人に制作技術を引継ぎたい」との熊谷さんの思いを受けて、熊谷さんに弟子入り。熊谷さんの工房に通いながら制作技術を習得した。菊地さんが作るステンドグラス作品は、ハンダでガラスを接合する技法「ティファニーテクニック」。鉛線の型を使う「ケイム式」技法に比べて、ランプシェードなど立体的な作品の制作に向いているという。

 出身地の国指定重要無形民俗文化財「西馬音内盆踊り」を描いたパネル作品を皮切りに、現在、なまはげや秋田犬など、秋田県内の風物をモチーフにステンドグラス作品の制作を進める。「県内25市町村ごとの作品を作り、皆さんに見てもらうことが目標」だという。

 ステンドグラス教室の講師を務めたり、湯沢市の仏壇関連団体とコラボ作品展を開いたりするなど活動の幅を広げる菊地さん。「私自身が作りたい作品は何なのかを見失わないこと大切にしている。制作を楽しむことが、お客さまの満足にもつながるはず。難しい技術に挑戦しなければいけないこともあるが、ステンドグラスの美しさを伝えられる作品を作り続けられれば」と話す。