Bリーグ2部の滋賀レイクスが5月3日〜5日、滋賀ダイハツアリーナ(大津市上田上中野町)で開催されたB2プレーオフ準々決勝で青森ワッツと対戦した。(びわ湖大津経済新聞)

 3日は4138人、4日は4331人、5日は3744人が来場した

 B2西地区1位〜3位、東地区1位〜3位とワイルドカード2チームの8チームが2戦先勝のトーナメント形式で争い、2チームがB1に昇格するB2プレーオフ。

 準々決勝1戦目となった3日は1クオーター(Q)に青森に6本もの3ポイント(P)シュートを決められ、リードされて試合が始まる。滋賀は2Q開始から2人の外国籍選手、ブロック・モータム選手、ライアン・クリーナー選手に加えて身長204センチの川真田紘也選手が出場し、3人が2メートルを超えるビッグラインアップになると、滋賀のディフェンスの強度が上がる。3Qにもビッグラインアップの時間に青森の得点を抑え、モータム選手の得点で58-57と逆転するが、直後に青森に3Pシュートを決められる。その後も、3点差まで迫る場面が2度あったが、直後に青森に3Pシュートを決められ、追い付くことができずに84-88で初戦を落とした。

 ダビー・ゴメスヘッドコーチ(HC)は「選手の何人かプレーオフの状況に怖がっていたように感じた。準備ができていなかった」と話し、キャプテンの柏倉哲平選手も「レギュラーシーズンと違う緊張感があった。劣勢になって焦りやプレッシャーを感じ過ぎていた」と振り返った。

 負ければ準々決勝敗退となる4日の2戦目。ビッグラインアップでスタートした滋賀はディフェンスから流れをつかみ、終始リードする展開に。1戦目は青森の池田祐一選手が素早いドライブでゴール下に切り込み、外にパスをさばくキックアウトパスからノーマークで3Pシュートを高確率で決められたが、2戦目はディフェンスで池田選手を抑えた。青森の選手に個人プレーから得点されるも、滋賀は崩れることなくディフェンスを続けた。キーファー・ラベナ選手が4Qだけで3本の3Pを決め、Bリーグキャリアハイの30得点を記録する活躍を見せ、93-79で滋賀が勝利した。

 ゴメスHCが「今日のXファクター(勝利の決め手、秘密兵器)はティー(田原隆徳選手)」と振り返ったように、田原選手が献身的なディフェンスでチームを勝利に導いた。田原選手は「ディフェンスでエナジーを出し、今日はファウルしてでも相手を止めにいくというスタンスでいた。レギュラーシーズン以上の気持ちを出した。けがするかもしれないとか関係なく、全力を出し尽くすと決めていた。人生懸けた勝負なので、死ぬか生きるか」と話した。

 勝ったチームが準決勝に進出する5日の3戦目もビッグラインアップでスタート。高さを生かしてリバウンドを取り、ゴール下を制する。ジャスティン・バーレル選手がダンクシュートやバスケットカウントで流れをつかみ、34得点の大活躍。青森のジョーダン・ハミルトン選手に対するディフェンスでも貢献した。拮抗(きっこう)した試合展開となるが、ラベナ選手が要所で3Pシュートを決め切る。4Qにも青森に迫られるが、柏倉選手が3Pシュートを決め、直後に青森のオフェンスファールを誘発し速攻を止め、点差を広げる。92-79で勝利し、2勝1敗で準決勝進出を決めた。

 連日多くの滋賀ファンが来場し、青森のフリースロー時にはブーイングの声が響き渡った。4日は50%、5日は53.3%と青森のフリースロー確率が低くなり、ゴメスHCは「MVPはファン」と観客に感謝した。

 柏倉選手は「1戦目であのような結果になって、正直、どこまで苦しめばいいんだろうというのが本音だったが、やるしかない、ここで諦める選択肢は1ミリもない。ブースター(ファン)の皆さんが後押しをしてくれたので、その気持ちに応えたいという思いで戦って、今日、チーム一丸となって勝利できてよかった」と話した。

 準決勝は5月11日〜13日に滋賀ダイハツアリーナで開催される。準決勝で滋賀が勝利すれば、B1昇格が決定する。