長瀞の岩畳通りにある「そば処はやし」(長瀞町長瀞)の倉庫をリノベーションした「長瀞珈琲(コーヒー)焙煎(ばいせん)室」のコーヒースタンドが5月2日、オープンした。(秩父経済新聞)

 「長瀞珈琲焙煎室」のコーヒースタンド 外観

 2022年12月にコーヒー焙煎専門店として開業した同店。「そば処はやし」3代目の林竜汰さんが代表を務めており、コーヒースタンドは妻の愛見さんが店長を務める。店は倉庫の棚を壊して作り直し、水道と電気以外は全て手作り。壊した棚の木材を塗り直し、店の装飾としても活用している。

 メニューはドリップコーヒー、コールドブリュー(以上500円)、アイスカフェオレ(550円)、アイスチョコレートカフェオレ(600円)など。日によって使うコーヒー豆の銘柄は異なり、気に入ったコーヒー豆を購入することも可能(200グラム1,700円)。

 竜汰さんは「当初はカフェができたらと思っていたが、観光の観点から、テイクアウトで歩きながら楽しんでもらえるコーヒースタンドがいいと感じた。焙煎専門店としてコーヒー豆を秩父地域で卸の仕事をしてきたが、自分の焙煎したコーヒーを自分たちでも提供できる」と話す。

 愛見さんは長野県出身。就職をきっかけに東京で生活していた頃に竜汰さんと知り合った。看護師免許を持ち、以前は介護施設に勤めていた。結婚を機に2021年、長瀞町へ移住。「長瀞では新しいことに挑戦したいと思っていた。夫の家業のこともあり、飲食店で経験を積むために、秩父市内のカフェ2店を掛け持ちで働き始めた」と愛見さんは話す。昨年11月からは「ハトと珈琲」の屋号でコーヒー店としてイベント出店を行ってきた。

 そのほか、同じ1993(平成5)年生まれの移住者仲間3人で集まり、「zuttomo(ズットモ)」の名義でも活動する愛見さん。メンバーは「マサムネベーゴー」(長瀞町中野上)の片桐朱里さん、横瀬町地域おこし協力隊で「Yarncha(やんちゃ)」の福田はるかさん。zuttomoは飲食業に就く同い年の同性メンバーということもあり、「一緒に何かできたら楽しいのでは」と企画がスタートし、4月29日にはzuttomoでは初めてのイベント「朝ご飯の会」を秩父表参道Lab.(秩父市番場町)で行った。

 5月30日にはzuttomoメンバーがそろい、同コーヒースタンドで「おやつ会」のイベントを行う。「今回はおやつメニューやミニベーグル、イベント限定メニューを各メンバーが持ち寄る予定。常連客の方にも楽しんでもらえるようなイベントにしたい。コーヒースタンドが始まって課題はたくさんあるが、楽しくてやりがいを感じる。イベントをきっかけに来店する人や、地元の人にとっても楽しみになる場所になっていければ」と愛見さんは期待を込める。

 営業は土曜・日曜・祝日の11時〜16時。おやつ会の開催時間は15時30分〜19時。売り切れ次第終了。