伊勢市で生まれ明和町育ちの音楽家・長岡成貢さんが5月5日、明星神社(明和町)に神社賛歌『明けの星』を奉納した。(伊勢志摩経済新聞)

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 長岡さんは、嵐やSMAP、EXILEなどさまざまなアーティストに楽曲を提供。映画「桜田門外ノ変」「たたら侍」、ドラマ「日曜劇場 JIN-仁-」などの音楽も手がける。天皇に代わって約660年間、平和を祈り伊勢神宮に仕えた60人余りの未婚の内親王または女王「斎王」への感謝、その存在を多くの人に知ってもらおうと取り組む「ひめみこプロジェクト」を主宰する。

 同神社の主祭神は、建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)。創建は、明治時代に火災に遭い由緒などの資料が焼失したため定かではないが、平安時代に書かれた「延喜式」に名前があることから1000年以上の歴史があるとされる。

 明星神社賛歌は、長岡さんが作曲・編曲を、皇学館大学(伊勢市神田久志本町)非常勤講師を務め文筆家として活動する明和町在住の千種清美さんが作詞を、三重大学教育学部音楽学科声楽コースを卒業し歌手で俳優の松島史奈さんが歌を担当。長岡さんを含む3人は明和町観光大使も務める。

 奉納演奏は長岡さんがキーボードを、松島さんが歌を、黒田由樹さんがフルートを、趙賢真さんがバイオリンを、地元の子どもたちがコーラスを担当。最初に神前に向かって行われ、その後、向きを変え境内に集まった氏子や地元の人たちに対して演奏された。

 長岡さんは「明星神社は、僕が通った明星小学校正門の前にたたずむ小さくてとても美しい神社。子どもの頃によく遊んだ思い出の場所で、田舎の里山の原風景の一つ。故郷へのご恩返しとして歌を作りたいと思いを千種さんに作詞をお願いしたところ心よく引き受けて下さり素敵な曲が完成した」と話す。

 千種さんは「最初の『風そよぐ』という言葉がなかなか出てこなかったが、その言葉が出たらすぐ歌詞ができた。『鎮守の森のとこみどり』はいつも緑があるという意味。古い葉が落ちて毎年新しい葉になっている、常に更新しているという意味を込めた」。長岡さんは「千種さんから詩が届いたら曲はすぐできた。詩は、子どもの頃に抱いた明和のイメージそのもので明星の世界観が広がり心の中の原風景そのものだった。みんながまたこの地に集ってもらえるようなきっかけになれば」。松島さんは「曲の中で気に入っているところは、色や音で明星神社、明和町の風景、魅力が感じられるところ。この曲を通して、明星神社の魅力を伝えていきたい。皆さんと一緒に歌い継いでいきたい」と思いを込める。

 下村俊昭宮司は「ホームページやYouTubeなどで曲が聴けるようにしていきたい。また満月の日や祭りの時に流していきたい」と話す。