ネパールと日本の文化交流イベント「ネパールのバザールで文化が混ざ〜る!」が4月27日・28日、平和公園(板橋区常盤台4)で行われ、2日間で延べ1万人が来場した。(板橋経済新聞)

 開会式でのテープカットの様子

 任意団体「板橋MONAネパール交流会」が主催する同イベント。共同代表を務める城北高校(東新町2)3年の鈴木拓哉さんが多文化共生の理解を深めるイベントを開きたいと地域に相談し実現した。27日の開会式で、坂本健板橋区長は「ナマステ」のあいさつの後、「板橋区に住むネパール人は約2300人で、中国、韓国に次いで3番目に多い。今日のイベントはネパール人と板橋区民を友情でつなぐイベントだと聞いている。ネパールの料理、飲み物などを通じて文化交流を深め、今日のこの出会いがこれからのネパールと板橋、日本の架け橋となることに期待したい」と話した。

 飲食・物販ブースには、板橋区内外からネパール料理店や雑貨店と上板橋近隣の飲食店などから20店が出店。ステージでは、ネパールの伝統舞踊が披露されたほか、城北高校吹奏楽部によるブラスバンド演奏、キッズチアダンス、和太鼓演奏など2日間で40を超える個人・団体によるパフォーマンスが披露された。

 上板橋の飲食店「食い処BAR TRENTE(トラント)」店主の保坂連太郎さんは「予想以上の来場者数で驚いた。用意した2種類のメニューはイベント終了1時間以上前に完売した。これを機に上板橋が盛り上がってくれたら」と期待を込める。各日2試合ずつ行った「いたばしプロレスリング」の試合では、ネパール語を交えた選手のパフォーマンスに歓声で沸いた。メインイベントの時間無制限1本勝負では、27日はまるこ選手が、28日は地元上板橋北口商店街公認レスラーで初代シングルチャンピオンのグレート・ピカちゃんが勝利した。

 共同代表の鈴木さんは5歳から11歳までを中国・上海で過ごした。帰国後日本での外国人とのコミュニケーションの取り方に距離を感じ、異文化コミュニケーションについて知るために日本語教室のボランティアに参加。そこで上板橋でネパール料理店を経営するケーシーカルキ・ゲヘンドラさんと出会い、「ネパール人も日本人もどちらも楽しめる祭りを開催したい」という思いに共感し実現に至ったという。「この2日間でたくさんの人に来場してもらい、異文化を体験してもらえたという達成感がある。今後も増える見込みの日本への外国人移住者と、異文化コミュニケーションを楽しみながら、より暮らしやすい地域社会をつくる活動を続けていきたい」と話す。

 27日にはドゥルガ バハドゥール スベディ 駐日ネパール特命全権大使が登壇する予定だったが、公務のため中止となった。