フランスワインを輸入・販売するワインショップ「ラ・カーブ・イデアル」(武蔵野市本町3、TEL 090-1779-3586)が神楽坂から吉祥寺の井の頭通り沿いに移転、2年半ぶりに営業を再開して4月13日で3カ月がたった。(吉祥寺経済新聞)

 大きな手作りのテーブルが置かれた「ラ・カーブ・イデアル」の店内

 経営は、フランスの小規模生産者が手作りしたワインを輸入・販売する「イデアル」(吉祥寺本町3)。

 同社社長で店主の村上敏朗さんは1982(昭和57)年から東京会館(千代田区)に勤務、1991(平成3)年までの9年間はソムリエを務めた経験を持つ。「ワインをもっと深く知りたい」と渡仏を決意。語学学習に留学したカンヌの酒屋でラングドック・ルーションのワインと出合い、「初めての味に衝撃を受けた」という。

 1995(昭和60)年に帰国。通信販売の「クラブ・デュ・ヴァン」設立。2001(平成13)年から神楽坂で、ワインバー、ビストロ、ワインショップの3店を経営。2009(平成21)年オープンの同店が入居していたビルが老朽化で建て替えとなり、2021年6月に閉店した。

 移転先はマダムを務める妻の真由美さんが住居用賃貸物件の広告に店の雰囲気に合う吉祥寺の物件を見つけ、「マンションの1階なのに一軒家のような造りで、庭に桜がある」ことから即決。コロナ禍の影響もあり、2年半かかったが、営業再開にこぎ着けた。

 店名の「ラ・カーブ」は「貯蔵庫」、「イデアル」は「理想」の意味で、「理想のワインだけを販売したいとの思い」から付けたという。

 店舗面積は11坪。真由美さんがデッサンし、DIYで仕上げたテーブルやカウンターなどを配した店内にはテーブル1卓と椅子8脚、テラス席はテーブル2卓と椅子4脚を備える。

 ワインは、地中海性気候で日射に恵まれブドウが完熟するため「飲みやすく親しみやすい味わい」になるというラングドック・ルーション産のみを用意する。「造り手の思いと努力を伝えたい」と「なぜこの味なのか理解するため」、毎年、買い付けに出向く。「土に手をかけ、力のあるブドウを育て、農薬を使わない」生産者とじかに話し、自分が味わって「値切らず買い付けて、値引きせずに売る」と村上さん。

 常時販売するのは、「シベ」の白(シャルドネ・ビオニエ)、ロゼ(グルナッシュ)、赤(メルロ・カベルネ・ソービニヨン)(以上3,300円)。年4回、特別限定5本セットの「イデアル・ディレクト」も販売。4月14日到着分は「シャトー・ランシール」で、白1本、ロゼ2本、赤2本(50セット・3万3,000円)。

 「我が家に戻ってきたように楽しんでほしい」とワインに合う料理を村上さんが振る舞うワイン会や真由美さんによるワークショップも開催する。

 「近所からのリピーターが増えた」と村上さん。「気軽に興味を持って来店し、私たちが選んだワインを体験してほしい。街に根付き、必要とされる店を目指したい」と意気込みを見せる。

 営業時間は12時〜19時。月曜・火曜定休。