J1第10節浦和レッズ対名古屋グランパス戦が28日に埼玉県さいたま市内で行われ、2-1で3試合ぶりの白星を奪取した。前半24分にMF安居海渡が先制弾を突き刺し、後半25分にはFWチアゴ・サンタナがペナルティーキックで決勝点を挙げた。試合終盤に失点を許すも、強敵相手に逃げ切った。

この日先発したDFアレクサンダー・ショルツは圧倒的なパフォーマンスを披露。カウンターの起点を素早く潰し、相手のキーパスをことごとく遮断。優れた守備能力で名古屋攻撃陣を封じ続け、その実力の高さを証明した。

ショルツは「いいゲームだったと思います。名古屋は昨シーズンに比べて成長していると思います。戦術的にも良かったですし、ボールを持っているときはかなりいいチームになったと思います。何もないところからいいゴールが生まれ、前半ラスト20分は完全に支配していたと思います」と胸を張った。

この日はショルツの卓越した守備が目立ったが、前半の序盤は相手の激しいプレッシャーに押し込まれる場面もあった。

「去年の流れをちょっと思い出す。まずノーディフェンスで始まり、そこから少しずつ我々が前進していくようなイメージ。我々のプレッシャーはすごく良かったと思います。最初の10分はあまりですけど、後々からいいプレッシャーを与えることができて、選手たちがかなりハードワークしていたと思います。かなりプレッシャーを与えていたと思います。(中島)翔哉、(安居)海渡、(前田)直輝、チアゴ(・サンタナ)がかなりハードワークをしていたと思います。かなりチームを助けていると思います」とチームメイトの守備貢献を高く評価した。

連動した組織守備で主導権を奪った浦和は堅守名古屋相手に2点リードをするなど、ゲームを支配することに成功した。このまま4試合ぶりのクリーンシートかと思われた矢先に後半47分に痛恨の失点を喫した。背番号28は「(クリーンシート)そうしたかったですね。それに値する仕事をしていたと思います。ちょっとセットプレーでやらかしました。我々の責任ですね」と肩を落とした。

それでも守備の柱が本領を発揮し始めたことは大きな収穫だ。先月10日の北海道コンサドーレ札幌戦で負った右ハムストリングの肉離れで離脱していたが、前節ガンバ大阪戦で戦線に復帰。この日は強固なディフェンスラインを形成して、昨季アジア王者の貫禄を取り戻しつつある。

「ケガに関しては良くなってきています。ちょっと今週は風邪っぽかったんですけど、良くなってきていますね」とコンディションも戻りつつあると口にした。

PKキッカーはチームが決める



前半25分にPKを獲得した浦和はサンタナがペナルティキッカーを務め、決勝弾を豪快にゴールへ突き刺した。ただ昨季はペナルティーキックのキッカーを務めていた選手はショルツであり、リーグを代表するPK職人としてゴールネットを揺らしてきた。

ペナルティーキッカーを務めたサンタナ


この日は報道陣にサンタナにキッカーを譲ったかと尋ねられたショルツは首を横に振る素振りを見せた。「そんなにルールとかないですね。監督の指示です。コーチングチームの指示です。日本はやっぱりみんなで判断を決めるので、日本は組織で決める。シュートの上手いストライカーがいるので、僕がいなかったときにしっかり入れていた。いろいろなPKシューターがいることはポジティブなことだと思います。点が取れれば大丈夫」と笑顔でサンタナのゴールを称えていた。

復帰後のホーム初勝利に背番号28は「本当に良かったです。ハッピーで。ここからまた駆け上がっていきたいですね」と反撃を誓った。来月3日午後4時にアウェーで対戦する川崎フロンターレ戦でも優れた守備で完封し、今季初の2連勝をつかみ取ってみせる。