台湾東部沖地震に伴う、内館茂盛岡市長と魏嘉彦花蓮市長の第2回オンライン会談が5月9日に行われた。(盛岡経済新聞)

 花蓮市の名前が入った小さな旗を振って質問に応える内館市長

 4月3日に台湾東部沖沿岸を震源とするマグニチュード7.4の地震が発生し、震源地が近い花蓮県・花蓮市では大きな被害を受けた。同市と盛岡市は2019年に友好都市協定を締結し、交流を続けている。地震の2日後には1回目のオンライン会談を行った

 地震の発生から1カ月が経過することから、現地の状況を確認しようと2回目の会談を行った。前回の会談で魏市長は避難所となっている小学校にいたが、今回は市役所内から参加。内館市長が「前回は顔色も悪く、やつれているように見えて心配していた。今日は笑顔が見えて少しほっとしている」と声をかけると、魏市長は「前回は避難所という場所もあり緊張していて、自分も疲れていた。その状況で盛岡から温かい声が届いてうれしかった」と返した。

 内館市長は花蓮が台湾の中でも観光地として知られていることに触れ、「観光業に携わる人や商店は観光客が減って大変だというニュースを見た。生活はどうか」と質問。魏市長は「余震が続いていることもあり観光客は減少している。これから観光のハイシーズンを迎えるので、それまでになんとか戻ってきてほしい」と答えた。

 友好都市協定の締結から今年で5周年を迎えるに当たり、8月に花蓮から盛岡を、11月に盛岡から花蓮を訪問する記念事業を地震の発生前から計画していたという。「11月に花蓮へ来てもらいたい。花蓮の観光復活に向けて自信を付けさせてほしい。心から熱烈に歓迎する」と魏市長。「8月には予定通り盛岡を訪問する」とも明るい声で伝えた。

 これを受けて内館市長も「大歓迎する」と笑顔を見せ、「市民も花蓮のことを心配している。魏市長が元気でいることをみんなに伝える」と話した。魏市長は、「花蓮と盛岡の友好関係を世界の人に知ってもらいたい。盛岡の皆さんからの支援と温かい言葉に感謝を。引き続き復興に向けて頑張る」と意気込み、何度も「謝謝(シエシエ)」と言いながらオンライン会談を終了した。

 市では日本赤十字社の救援金口座を通じた募金活動についてウェブサイトで周知するほか、本庁舎1階案内窓口と5階地域福祉課、都南分庁舎1階1番窓口、玉山分庁舎1階健康福祉課に募金箱を設置し、6月14日まで救援金を受け付ける。集まった救援金は日本赤十字社を通じ、台湾赤十字組織が行う救援・復興支援活動などに使われる。