「遺跡の学び館」(盛岡市本宮)が6月1日、開館20周年を迎える。(盛岡経済新聞)

 同館は盛岡市内にある遺跡の発掘調査と報告書の刊行、出土品の収蔵、考古資料の展示会、物作り体験学習会、文化財関係講座・講演会などを行う考古歴史系ミュージアムとして2004(平成16)年に開館。常設展示では発掘調査現場を再現したエリアや出土資料を展示するコーナー、出土した土器や石器などを保管している保管展示室などを設け、企画展示室では最新の発掘調査結果を知らせる資料展や、テーマに合わせた展示を行っている。

 「常設展示で並べている土器はガラスケースなどに入っていないので、質感や細かな模様まで間近で見られるのが魅力」と同館学芸調査員の千葉貴子さん。開館から20年が経過した今も、考古学や遺跡に興味を持つ人や土器好きから愛されている。その一方、初めて来館する人も多い。千葉さんは「『外から見たことはあったけど、入る機会がなかった』『こんな建物だったんだ』と話してくれる人もいる。古代体験や講座をきっかけに入館してもらえるのがうれしい」と笑顔を見せる。

 6月から20周年記念イベントを開催。開館記念日の6月1日には入館無料となるほか、6月中に入館した個人入館者に来年3月30日まで何度でも無料で入館できる年間パスポート「みっけパス」を発行する。12月28日まではこれまでの企画展ポスターを展示するポスター展、3月30日までは展示室や展示資料をSNSに投稿した入館者に記念品を進呈するSNS企画を行う。

 7月からは20周年記念の企画展、11月からはテーマ展の開催も予定。夏休みや冬休みの時期に合わせた古代体験や体験学習会、学芸講座も定期的に行う。「出土品だけではなく、遺跡そのものから学んでもらおうというのが『遺跡の学び館』のテーマ」と千葉さん。「発掘調査といえば屋外作業のイメージが強いと思うが、出土品を屋内で調べる作業の方が長い時間がかかる。そういった調査の過程に触れてもらえるのも特徴だと思う。盛岡の歴史と考古学の魅力をこれからもたくさんの皆さんに知ってもらいたい」と話す。

 開館時間は9時〜17時(入館は16時30分まで)。入館料は一般=200円、小中学生=100円、小学生未満・市内在住の65歳以上は無料。月曜、毎月最終火曜休館。