新三重漁協(長崎市三重町)が現在、地元で水揚げされたムラサキウニを使った塩ウニを販売している。(長崎経済新聞)

 ムラサキウニ漁を手がける漁師が11人所属する同漁協。コロナ明けの昨年は外食需要が拡大した影響などでムラサキウニの市場価格が高値で推移していたが、今年は落ち着いた状況となっていたことから、漁協で買い支えすることで漁の維持を図ろうと、これまで行ってきた塩ウニの生産・販売を拡大させることを決めた。

 同漁協の販売課長、松岡択弥さんによると、「素潜りで漁獲するムラサキウニは水揚げした日の夜か翌日に殻を割り、パック詰めした状態で魚市に出荷してきた。これまでは魚市が休みの日に限り漁協が買い取るかたちで塩ウニに加工してきた」という。

 「ウニ漁は取りすぎると個体減少や値崩れにつながる一方、海藻を餌としているウニは近年深刻化している磯焼けの原因の一つとされている。環境保全や漁場の維持といった観点からも適度な漁獲を行うことが必要」と松岡さん。今年は漁協での買い取りを拡大し、魚市での魚価が下がった場合などでも漁師が出荷先を選ぶことができるようにした。

 漁協で生産する塩ウニは消費者に手に取りやすいよう50グラム入り3,000円で販売。同漁協の活魚センター(三重町)のほか、同漁協が出店している長崎漁港がんばランド(京泊3)の直売コーナーでも扱う。

 松岡さんは「毎年、3月から5月に旬を迎えるムラサキウニ。塩ウニは夏ごろまで販売する季節限定の味として一般消費者を中心に好評を頂いている。磯の香りと濃厚な味わいを楽しんでもらえれば」と来店を呼びかける。

 営業時間は、活魚センター=8時〜17時、長崎漁港がんばランド=9時〜21時。8月中旬ごろまで販売を予定する。