「新千円札発行記念 浪裏まつり」が7月3日、すみだ北斎美術館(墨田区亀沢2)で行われている。(すみだ経済新聞)

 特別展「北斎グレートウェーブ・インパクト」と「浪裏まつり」の様子

 同館で6月18日から開催中の「北斎グレートウェーブ・インパクト 神奈川沖浪裏の誕生と軌跡」は、20年ぶりに新紙幣が発行され、千円札の裏面に北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」が図柄として採用されたことを記念して企画。誕生の背景や図柄の軌跡をたどる特別展を開いている。

 同館副館長の和田幸恵さんは「グレートウェーブ展が始まってから、訪日外国人に加えて日本人の来館者も増えている。『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』が描かれたのは北斎が70歳代の時。北斎が若い頃から研さんを積み、西洋の遠近法や油絵の陰影表現などを学んだ蓄積が生かされた作品といえる。浪裏以前の作品と浪裏以降の作品の違いなど、浪裏が誕生するに至った過程や同時代の絵師に与えた影響などをたどれる特別展」と紹介する。

 当日は「新千円札の紹介コーナー」や新しい千円札を掲げて浪裏作品の中で記念写真が撮れる「新千円札と浪裏フォトスポット」を設けたほか、来館者に同館オリジナル新千円券発行記念ステッカーやカルビー「堅あげポテト うすしお味〜浪裏パッケージ〜」が配布するなど、多彩な演出で記念日を盛り上げる。

 「浪裏まつり」について、和田さんは「新札発行記念を来場の皆さまと一緒に祝いたいと企画した。紹介コーナー以外には、『すみだの歩き方 葛飾北斎』の配布や浪裏商品の展示など、『浪裏』の世界に没入していただく仕掛けも用意した」と話す。

 浪裏関連のイベントでは、8月3日に国立歴史民俗博物館教授の大久保純一さん、同館の安村敏信館長によるトークイベントを開くほか、8月10日には担当学芸員によるスライドトークを予定する。「トークショーは展示以外で浪裏の貴重な情報を知ることができるイベント。グレートウェーブ展は夏休みにも展示する。家族連れでも楽しめる構成なので、気軽に足を運んでもらえれば」と呼びかける。

 「浪裏まつり」は3日16時30分まで。特別展「北斎グレートウェーブ・インパクトー神奈川沖浪裏の誕生と軌跡―」開館時間は9時30分〜17時30分。観覧料は、一般=1,500円、高校生・大学生・65歳以上=1,000円、中学生=500円、小学生以下無料。月曜休館。前期=7月21日まで、後期=8月25日まで。