日本全国を自転車で巡り、GPSで信長の似顔絵を描きながらご当地ソングを制作するプロジェクト「天下統一プロジェクト」を進める芸術家・天歌布武信長(てんかふぶのぶなが)さんが現在、鳥取を訪れている。(鳥取経済新聞)

 「天下統一プロジェクト」で鳥取に訪れた信長さん

 織田信長に扮(ふん)し「天下統一」ののぼりや、馬の顔が取り付けられた自転車に乗りながら旅を続ける信長さん。現在の活動の発端となったのは「顔が織田信長の肖像画に似ているので信長と名乗ってみたら」という芸術家の師匠に当たる人からのアドバイスだったという。信長さんは「信長でどのように表現するかと模索する中で、アコースティックで歌を作って歌ったり、ビデオカメラを回して映像を作ったり、絵を描いたりするなど、自分ができることを全て合わせて信長らしい事を模索する中で、『天下統一プロジェクト』を思いついた」と話す。

 2012(平成24)年ごろに始めた同プロジェクトは、地図上に走った軌跡が表示されるGPS機能を利用して各県の地図に信長の似顔絵を描きながら47都道府県を巡るもの。観光名所や歴史・文化を学び、人と出会い、体験し、感じたことを詰め込んだドキュメンタリームービーとご当地ソングを最後に完成させる。これまで、埼玉県、茨城県、群馬県、秋田県、広島県、山梨県、香川県、愛媛県、徳島県、高知県、岡山県、兵庫県の12県の作品を自身のホームページやユーチューブなどで公開している。

 鳥取県は5月11日、「道の駅 清流茶屋 かわはら」(鳥取市河原町)から出発。八頭町、鳥取砂丘、白兎神社から海岸線を走り、湯梨浜町に到着した後、山間部を走り鳥取市気高町を走る。

 鳥取では「日本海の幸」を楽しみにしていたという信長さん。道中、鳥取名産の「モサエビ」と日本酒「強力(ごうりき)」を楽しんだほか、駅舎巡りをする夫婦から話かけられたり、自転車で日本一周する人と車で日本一周する人と同時に出会いなどがあったりしたという。「鳥取は他県に比べて話かけてくれる人が多い。バス停もしっかりと建物になっていて、きれいに手入れされてる所が多い。自転車(馬)旅は雨風によってバス停など避難する場合があるので非常に助かる」と話す。

 今後、5月19日まで信長の顎(あご)、口、両髭部分を描いた後、一度拠点に帰還。今月26日以降に再開する予定。信長さんは「過去、小学3年生が一緒に走ってくれた。今後も10分でも一時間でも一日でも一緒に走ってくれる仲間という名の家臣(女性は姫)を募集している。鳥取に住む人、共に天下を獲りましょう」と呼びかける。