和歌山市が現在、江戸時代の和歌山城に関する資料の情報提供を呼びかけている。(和歌山経済新聞)

 和歌山城二の丸の大奥があったエリア

 和歌山城の整備で江戸時代に城内にあった建物の復元を検討する同市。国の史跡に登録されている同城では復元時に、根拠となる資料として失われた建物の外観写真や図面などが必要になる。戦災で焼失した天守以外の資料が少ないことから今月1日、市報やホームページを通して広く資料収集への協力を求めた。

 呼びかけに応じて12日には、戦前の天守を撮影した写真が提供された。「見たことがない角度から撮影した写真だった」と話す和歌山城整備企画課学芸員の伊津見孝明さんは「博物館などでの資料調査は継続して行っているが、個人の所有物は探すきっかけがなかった。意外なところに関係資料が眠っているかもしれない。引っ越しや空き家の片付けなど、古い資料を目にする機会があればぜひ探してみてほしい」と重ねて呼びかける。

 資料提供の対象にしている建造物は天守のほか、二の丸北辺櫓(やぐら)群およびそれぞれの建物を結ぶ土塀や多門櫓など。その他のやぐらや門、御殿の資料も受け付ける。写真や平面図、立面図、絵図、設計図、文書などを求める。同課の学芸員の調査で今後の整備事業に有益と判断された資料の提供者には、同城の入城券を進呈する。

 募集期間は2025年3月31日まで。