佐賀県の旧知事公舎「中之小路賓館」(佐賀市中の小路)の春の特別公開が現在、行われている。(佐賀経済新聞)

 「中之小路賓館」庭園から公邸を望む

 中之小路賓館は1891(明治24)年に建てられた和と洋が調和した2階建ての知事公舎で、第3代知事の樺山資雄から55〜57代知事の古川康まで歴代42人の知事が住居として使った。佐賀市内に宿泊施設が整備されるまでは県の来賓の宿泊場所としても使われ、1961(昭和36)年には来県した昭和天皇も宿泊されたほか、県の賓客のもてなしの場として長く使われてきた。2015(平成27)年に山口祥義知事就任の際、耐震や危機管理上の観点で住居としての使用を見送ったことから再整備し、2020年に現在の名称に改めた。

 中之小路賓館に改めて以降、かつては年間通じて一般に公開していたが、現在は春と秋に期間を限定した特別公開と文化的な催しでの貸し出し対応を行っており、春の特別公開は2021年から数えて4回目。庭園の新緑が見頃を迎えるゴールデンウイーク期間中に行っており、今年は4月27日から公邸部と庭園を公開している。

 県資産活用課の兼武麻衣子さんは「佐賀の街なかにありながら、歴史ある建物と新緑に囲まれた非日常を感じてもらえば」と話す。

 開館時間は9時〜17時。要美化協力金200円(高校生以上)。5月6日まで。