【エイチ ゼットリオの神髄を見た！】「カッコよかったなぁ!!!!!!!!!!!!」H ZETTRIO LIVE 2024 こどもの日SP渾身レポート

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去る5月5日（日）、東京・昭島市 FOSTERホールで「H ZETTRIO LIVE 2024 こどもの日SP」が行われた。2016 年以降コロナ禍を除き8回目の開催となる。
1000人の会場は満席、「大人一枚につき3歳以下の膝上鑑賞可」で幼児も多数、親子連れだけで200組以上はいたに違いない。ファミリー層が多いのはもちろん、高年齢層まで幅広い集客だった。

改めてH ZETTRIO（エイチ ゼットリオ）を紹介！

H ZETTRIOのメンバーはこちらの3人。

H ZETT M（ピアノ／青鼻）

H ZETT NIRE（ベース／赤鼻）

H ZETT KOU（ドラム／銀鼻）

「スイートレスポンスフロムドッグス」〜「犬のおまわりさん」が始まった瞬間から会場はH ZETTRIOの世界になった。サイリウムライトをH ZETT KOUに合わせて振る子ども。メンバーに大声で呼びかける子ども。子どもになじみ深い曲だけではない。難しい曲も演奏する。H ZETTRIOは子どもたちに遠慮しない。

子どもは本物と偽物がわかるから、これはH ZETTRIOが一級のエンタテインメントであることの証拠だ。爆発するエネルギー、ドライブしスイングする複雑な絡み合い、美しさと繊細さ、そしてユーモア。終演後、駅に向かう交差点で、小学校低学年と思われる女の子が親に言った「カッコよかったなぁ！」が象徴している。

この日の朝、私はニュースで「ガザの死者が34,000人を超えた。子どもたちが殺されている」映像を見た。繰り返されている報道だ。新宿駅に行くとインバウンド、GWの人出でごった返していた。大勢の子どもたちがいた。

目にしたものが突然結び付き、世界が変わって見えることがある。

最後の曲「今日の日はさようなら」が始まったときだ。サイリウムライトが揺れている。献灯のようだ。朝のニュース映像がよみがえり、私は目を閉じた。そしてH ZETTRIOがなぜ毎年このイベントを続けているのかわかった。

“小さなお友だち”と世代を超えて音楽を楽しむ素晴らしさ、もちろんそうだ。だがそれだけではない。H ZETTRIOの音楽の根底にある、時折感じられる何か、それは世界や現実への哀しさとか怒りのようなものだ。
H ZETTRIOは子どもたちに祈っている。音楽の本来、祈りを子どもたちに捧げているのだ。H ZETT Mは拳を振上げ叫んだ。「大きくなれよ！」。これは祈りの言葉だ。
「“小さなお友だち”が大きくなったとき、きっと世界はよくなっているはずだ」この祈りがH ZETTRIOをこの時代の特別なバンドにしている。H ZETTRIOを聴くとはそういうことだ。

文／きよう・けん　写真／伊東祐太

H ZETTRIOの公式YouTubeチャンネル『H ZETT CHANNEL』はこちら