5月3日(金・祝)、4日(土)、5日(日)にかけて「大阪コミックコンベンション2024」(以下、「大阪コミコン2024」)がインテックス大阪で開催される。映画やアニメ、コミックなどポップカルチャーの祭典として人気を博し、その目玉として毎回大きな注目を集めるのが来日セレブとの交流。ファンとのサイン&撮影会が実施されるほか、特設ステージに登壇してのトークイベントも行っている。

そのゲスト第1弾として発表されたのが、“北欧の至宝”と呼ばれ、ドラマ「ハンニバル」
や『ドクター・ストレンジ』(16)、『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(22)といった数々の大作、話題作に出演してきたデンマーク出身のマッツ・ミケルセン。なんと昨年の大阪コミコン2023、東京コミコン2023に続く3期連続の参加となり、過去には東京コミコン2017でも来日を果たしていた。「マッツ、どれだけ日本が好きなんだ!」ということで、これまでのコミコンでのミケルセンとファンとの邂逅、思わず頬が緩んでしまいそうな名場面を振り返ってみたい。

■ファンとの質疑応答に真摯に応えた東京コミコン2017

2回目の開催となった東京コミコン2017に早速駆けつけたミケルセン。ジーンズやパーカー、ワークパンツといった彼らしいカジュアルなファッションに身を包み、3日間にかけてトークセッションやセレブステージに登場した。トークセッションではカール・アーバン、ネイサン・フィリオン、福原かれんと共に登壇。コミコンならではのリラックスした雰囲気で、高さを調節できる椅子をアーバンらと共に上げ下げして遊んだり、床に寝そべってみたりするなど、まるで子どものようなスターたちの貴重な姿を目撃することができた。

セレブステージでは会場に集まったファンとの質疑応答を、ミケルセン自らの提案で急遽実施。運よくその権利を手にしたファンが緊張で言葉を失うなか、話し始めるのをニコニコしながら待つ真摯な優しさにほっこり。この時、以前訪れたことのある京都の素晴らしさにも言及し、「数時間しか滞在できなかったけど、非常に京都は美しく、歴史を感じさせられました」とコメントしていた。それから2年後、2019年9月に主演作『残された者−北の極地−』(18)のプロモーションと「ハリウッド・コレクターズ・コンベンション」で来日した際には、1週間ほど前乗りして京都を訪問。舞台挨拶で「自転車を借りて、お寺や神社、鞍馬寺の辺りをハイキングして、温泉にも入った」と明かし、念願の京都をじっくり満喫できたようだった。


■ロックスターのようにファンを熱狂させた大阪コミコン2023

大阪で初開催となった大阪コミコン2023。大阪でのミケルセンの人気ぶりも絶大で、セレブステージが開場してすぐに観覧スペースが埋まったのはもちろん、その後ろのフードエリア後方までぎっしりと大勢のファンが押し寄せていた。大歓声に迎えられて登場したミケルセンは、胸の前で手を合わせてお辞儀をしたり、指ハートを作ったり、投げキッスをしながらその熱狂に応えており、その様子はさながらロックスターのライブのようだった。

この頃はメインヴィランの科学者フォラーを演じた『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』(23)の公開が約2か月後に控えていたこともあり、本作に関するエピソードもトピックに。ハリソン・フォードと初対面した時、フォードはすでにインディのおなじみのコスチュームと鞭を持っていたそうで、「“インディ・ジョーンズ”まさにその人に会ったという感覚でした!」と興奮気味に振り返っていた。ちなみに、ミケルセン登壇前には予告映像がスクリーンに映しだされ、フォラーが登場した瞬間に会場から「はぁ〜」とうっとりした声が漏れ、インディにフォラーが殴られるシーンでは悲鳴も。少なくとも会場では、主人公のインディではなく、悪役のフォラー推し!という人が大半だったと思う。

■デンマーク語で「愛しています」を教えてくれた東京コミコン2023

大阪コミコン2023から約半年後の東京コミコン2023。ミケルセン登壇のイベントは、事前にファンから集った質問によるQ&Aで進行され、「マッツさんがダンディでセクシーなのは生まれつきですか?心掛けていることはありますか?」という問いに、「特に意識はしていませんが年齢を重ねるごとに服に気を遣うようになりました」と回答。すかさずMCから「なにかダンディなポーズを取っていただけないですか?」と無茶ぶりされると、まさかの「考える人」のポーズを取ってユーモラスに返していた。さらに、ステージの最後に「デンマーク語で『マッツさん大好き!』と伝えたいです」というファンからのお願いがあり、デンマーク語で「愛しています」を意味する「Jeg elsker dig(ヤイ エルスカ ダイ)」をミケルセンが一語一句丁寧にレクチャー。ファンたちが「ヤイ エルスカ ダイ」と一斉に唱和する光景を見て、照れながら微笑んでいた。

最終日のクロージングにも、クリストファー・ロイド、ユアン・マクレガー、ベネディクト・カンバーバッチ、トム・ヒドルストン、エヴァンジェリン・リリーらと共に登壇。カンバーバッチやヒドルストンと肩を組み、和気あいあいとする様子にファンが沸くなか、ヨーロッパ映画賞で『The Promised Land(原題)』(23)に主演したミケルセンが男優賞を受賞したことを発表。会場全体がうれしいニュースを祝う大きな拍手で包まれるなど、いかにミケルセンがコミコンやファンから愛されているかが伝わってくるシーンだった。

いよいよ目前に迫った大阪コミコン2024。今年はどんな熱いファンサービスで会場を盛り上げてくれるのか?イベントに参加するファンはぜひ、ステージに立つマッツ・ミケルセンの一挙手一投足をその目に焼き付けてほしい!

文/平尾嘉浩